山口県下関市の私立早鞆(はやとも)高校1年、冨田由実さん(16)が先月、車にはねられた犬を見つけた。犬には首輪があり、右の前脚を骨折していた。市の動物愛護管理センターに引き取られたが、飼い主が現れなければ殺処分になる運命。「何とか助けたい」。冨田さんは友人の手も借りてメールやチラシを配り、飼い主を捜した。飼い主が見つかったのは、殺処分のわずか5時間前だった。 【関連記事】犬が教えてくれたこと:ペットブームの残酷 この犬は市内の女性が飼う雑種の「アイ」(3歳、雌)。2月27日夕、下関市幡生町の知人の家に遊びに行った冨田さんが、路上でけがをして鳴いているアイを見つけた。ひき逃げされたとみられる。動物愛護管理センターが犬を引き取りに来たが「飼い主や里親が現れなければ、約2週間後には殺処分される」と耳にした。 あまりに無情な「宣告」。数日間、気の重い日が続いた。「なぜ人間は、ひき逃げなんてで