ブックマーク / www.countryteacher.tokyo (157)

  • 村中直人 著『「叱れば人は育つ」は幻想』より。読むと、指導観も児童観も変わります。 - 田舎教師ときどき都会教師

    中原  「叱る」と「依存」という言葉の組み合わせはキャッチーですよね。自分の「叱る/叱られる」体験を振り返ってみたときに、多くの人がちょっと思い当たるところがある。そこをうまく突いている指摘だと思います。 村中 最初は「依存」という言葉を使っていいものか、かなり迷いました。しかし〈叱る依存〉という言葉を中核概念にすると肚を決めたことで、すっきりと見えてくるようになったことも多く、結果的によかったと思っています。 (村中直人『「叱れば人は育つ」は幻想』PHP新書、2024) おはようございます。村中直人さんと中原淳さんというプロフェッショナルの組み合わせはキャッチーですよね。自分の読書体験を振り返ってみたときに、多くの人がその名を目にしたことがある。そこをうまく突いている人選だと思います。 おはようございます。土曜授業の通勤のお供は横道誠・青山誠 編著『ニューロマイノリティ』です。村中直人さ

    村中直人 著『「叱れば人は育つ」は幻想』より。読むと、指導観も児童観も変わります。 - 田舎教師ときどき都会教師
    s-johnny
    s-johnny 2024/07/31
  • 勅使川原真衣 著『職場で傷つく』より。言えないから、癒えない。 - 田舎教師ときどき都会教師

    いいですか。繰り返しますが、誰が正しくて、誰が間違っている、という単純な話ではないのです。お互い異なる「持ち味」があるのが人間です。その凸凹がどうもうまくかみ合っていない状態が、組織としてどこか「うまくいっていない」状況と言うべきではないでしょうか。個人の問題というより、「組み合わせの問題」なのです。 (勅使川原真衣『職場で傷つく』大和書房、2024) こんばんは。先日、コミュ障の私と、若手の同僚4人の計5人で福島を旅してきました。2年前から続く、1泊2日のプライベートな東北研修旅行。3回目となる今回のいちばんの目的は、福島の小学校で働いているO先生に会い、原発事故が起きたときの話を聞くことです。ちなみにO先生に会うのは、 四半世紀マイナス数年ぶり。 www.countryteacher.tokyo 四半世紀マイナス数年前に、某県の教員採用試験の集団面接があり、そのときにO先生と出会いまし

    勅使川原真衣 著『職場で傷つく』より。言えないから、癒えない。 - 田舎教師ときどき都会教師
    s-johnny
    s-johnny 2024/07/28
  • 柴崎友香 著『あらゆることは今起こる』より。柴崎友香さんと横道誠さんの対談イベントに参加してきました。 - 田舎教師ときどき都会教師

    運動能力は比較的、生まれつき、というか、各個人の素質がもともと違うと理解されているけれども、発達障害の人が困っていることに関しては、意志が弱い、だらしない、などと判断されがち。「運動能力は各個人の素質だけれど、意志は個人の意志、人がコントロール可能なものであって、その人の心がけ次第」みたいな感覚がある。 目に見える身体能力ですら他者の感覚を知るのは絶望的に困難なのに、それがさらに目に見えない身体の内側、脳内の違いということになると、そもそも違いがあることすら認識されにくい。 そんなふうに見えないからこそ、だいじょうぶじゃない。 (柴崎友香『あらゆることは今起こる』医学書院、2024) おはようございます。昨夜もその前の夜も、脳が冴えてしまってなかなか眠れませんでした。2日前に1学期が終わり、脳が興奮している感じです。明日からは勤務時間内に仕事を終えることができる。休憩時間もとれるし、定時

    柴崎友香 著『あらゆることは今起こる』より。柴崎友香さんと横道誠さんの対談イベントに参加してきました。 - 田舎教師ときどき都会教師
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    s-johnny 2024/07/21
  • アンディ・ウォーホル 著『ぼくの哲学』より。なるったけ長い間赤ん坊でいたらいいと思う。 - 田舎教師ときどき都会教師

    きれいな人は平凡な見栄えの人より人を待たせる傾向にある。きれいであることと平凡であることの差はずいぶんと大きいよ。きれいな人はたいていの人は待っててくれるって知っているから遅れても慌てない。だからもっと遅れるようになる。そして遅れてくればやはり悪いと思っているから埋め合わせに感じよくしようとする。感じがいいともっときれいなような気がする。これは古典的と言ってもいい現象。 (アンディ・ウォーホル『ぼくの哲学』新潮文庫、2024) こんばんは。昨日、絵を描き始めたのは2年前から、という知り合いのお姉さんの個展に行ってきました。アンディ・ウォーホルの哲学でいうところの「きれいな人」です。アポを取ったわけではなく、行きます(!)って連絡を入れたわけでもなく、そのお姉さんがそこにいるかどうかもわかりませんでしたが、とりあえず行ってみることにしました。クラスの子どもたちにもしばしば伝えることですが、と

    アンディ・ウォーホル 著『ぼくの哲学』より。なるったけ長い間赤ん坊でいたらいいと思う。 - 田舎教師ときどき都会教師
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    s-johnny 2024/07/16
  • 西川純 著『『学び合い』 誰一人見捨てない教育論』より。生涯レベルの子どもの幸せを目指す。 - 田舎教師ときどき都会教師

    世の中には優れたノウハウがあります。有名なのは向山先生の跳び箱の跳ばせ方があります。あれは強力だと思います。それを『学び合い』に併用したいと願うのは当然です。併用すれば、跳び箱は早く跳べるようになるでしょう。しかし、子ども達が関わり合い、頭を使って跳べるようになった方が、共に困難を乗り越えた仲間を得るという「学校教育とは生涯の幸せを保障すること」に必須な機会が与えられます。さらにいえば、優れたノウハウは多くの子どもに有効であっても、全員ではありません。ノウハウにフィットしない子どもが跳べるような方法を子ども達は生み出せるとなぜ信じられないのでしょうか。 (西川純『『学び合い』 誰一人見捨てない教育論』明治図書、2024) こんばんは。子どもたちがさまざまな大人に出会うことで、こんな生き方もありなんだなって想像できるようになるという《学校教育とは生涯の幸せを保障すること》に必須な機会を与える

    西川純 著『『学び合い』 誰一人見捨てない教育論』より。生涯レベルの子どもの幸せを目指す。 - 田舎教師ときどき都会教師
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    s-johnny 2024/07/13
  • 横道誠 著『アダルトチルドレンの教科書』より。基本事項と理論と実践を同時に学べる教科書です。 - 田舎教師ときどき都会教師

    アダルトチルドレンという言葉にエンパワメントの機能があるという説明は、かんたんに納得できた。ぼく自身、じぶんの問題や境遇に名称が与えられて、大いに力づけられた。ぼくは親の良いところも知っているから、毒親とか親ガチャとかいう言葉には正直に言って、抵抗を感じる。でも、こういった言葉を使えることでようやく声を出せるようになる人もいることは充分に理解できるから、否定的に捉えようとは思わない。毒親の問題には遺伝性があると知った。ならば親子関係に介入し、子育てを支援する公的な体制づくりが必要だと思った。 (横道誠『アダルトチルドレンの教科書』晶文社、2024) おはようございます。おそらくどこの小学校でもそうですが、6年生の子どもたちは、いわゆる「縦割り班活動」によって、毎月、ちょっとした自治を経験することができます。ざっくりいうと、 1~5年生は参加者で、6年生は主催者。 主催者って楽しいんですよね

    横道誠 著『アダルトチルドレンの教科書』より。基本事項と理論と実践を同時に学べる教科書です。 - 田舎教師ときどき都会教師
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    s-johnny 2024/07/07
  • 松尾英明 著『不親切教師のススメ』より。「楽しい授業」をやめる。習字の掲示もやめる。 - 田舎教師ときどき都会教師

    現在では、大学でも「アィティブ・ラーニング」が標榜され、一斉の講義型授業を脱していこうという動きがある。講堂で行わざるを得ない大規模な人数での授業ならともかく、それ以外ではゼミ形式の少人数討論型の授業が多くなっている。 小学校でも、この流れに乗っていきたいところである。例えば私の学級では、次ページの写真のような「アイランド型」と呼ばれる机の配置を基にして学級運営をしていた時期がある(書を執筆中の2022年6月現在、感染症対策の関係で、この机の配置はできなくなっている)。4人組で1つの班にし、それを時計周りに8つ、円状に配置し、中央を空けた形である。 (松尾英明『不親切教師のススメ』さくら社、2022) こんばんは。引用にある《次ページの写真》の代わりに、10年以上前の私の学級の写真を貼ります。私も、コロナ禍になる前まで、『不親切教師のススメ』の著者である松尾英明さんと同じように、アイラ

    松尾英明 著『不親切教師のススメ』より。「楽しい授業」をやめる。習字の掲示もやめる。 - 田舎教師ときどき都会教師
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    s-johnny 2024/07/06
  • 恩田陸 著『spring』より。読むと、バレエやコンテンポラリーを観に行きたくなる。 - 田舎教師ときどき都会教師

    唐突に、歌舞伎の語源が「かぶく(傾く)」だというのを思い出す。 何百年もの伝統と確固たる「型」というものがある。それは文字通り、その世界に「疑いの余地なく正しいもの」として屹立している。 そのまっすぐでゆるぎないものを「傾ける」のだ。 それは、いわゆる「正統派」とそうでないもののすべてに共通する作為のような気がする。バレエだってそうだ。重力に逆らい、まっすぐに立っているものを、コンテンポラリーはオフバランスにする。傾ける。もっといえば、崩す。潰す。平たくする。 (恩田陸『spring』筑摩書房、2024) こんばんは。縁あって、コンテンポラリーの分野でけっこうな知名度を誇るダンサーさんが授業に来てくれることになりました。ゲストダンサーとして、スウェーデン王立バレエ団でも踊っていたことがあるというスペシャルな人です。 で、渡りに船。 打合せの前に、バレエとコンテンポラリーについて勉強しておこ

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    s-johnny 2024/06/11
  • 岩尾俊兵 著『世界は経営でできている』より。これまで読んだ中で最高のエッセイ! - 田舎教師ときどき都会教師

    経営するのは企業だけだと思い込むのは無知と傲慢のなせる業だ。学校経営、病院経営、家庭経営・・・・・・はどこに消えたのか。むしろ世の中に経営が不足していることこそが問題なのである。現代の学校や病院や家庭が不合理の塊なのは誰もが知っていることではないか。 (岩尾俊兵『世界は経営でできている』講談社現代新書、2024) こんばんは。私の棚にある近内悠太さんの『世界は贈与でできている』には、著者のサインが入っていて、そこにはラテン語で「Credo quia absurdum」と書かれています。意味は、 不合理ゆえにわれ信ず。 世界は贈与でできている(2024.5.12) 夢うつつの状態がまだつづいているんだろうか、それとも現実なんだろうか。合理的に考えれば、あり得ない。でも、不合理ゆえに信じてみようかな。詳細は省きますが、最近、そんなふうに思うことがありました。 不合理ゆえにわれ信ず。 信じよう

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    s-johnny 2024/05/14
  • 横道誠 著『発達界隈通信』より。教員のみなさん、読みましょう。 - 田舎教師ときどき都会教師

    発達障害は大きな免罪符にならない。発達障害だから仕方ないと考えると、未来はありません。障害があったら、人の10倍は考えて、工夫しないといけないと思ってます。発達障害や精神障害があっても、それに引っ張られすぎてはいけない。楽しいことはたくさんあります」。 (横道誠『発達界隈通信』教育評論社、2022) こんばんは。教育評論社から出ているというのがいいですよね。この『発達界隈通信』が、です。教員は、読んだ方がいい。読めば、各教室にいる発達界隈の子どもたちの振る舞いに目くじらを立てたり、振り回されたりすることが少なくなると思うからです。 発達障害だから仕方ない。 大人の発達障害とは違って、子どもの、特に小学生の発達障害は「発達障害だから仕方ない」という面が多々あります。学校教育が前提としてしている「みんなに同じことを、同じペースで、同じようなやり方で、できあいの問いと答えを一斉に勉強させる」(

    横道誠 著『発達界隈通信』より。教員のみなさん、読みましょう。 - 田舎教師ときどき都会教師
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    s-johnny 2024/05/07
  • 横道誠 著『解離と嗜癖』より。現実と幻想が交錯する、癖になる旅行記です。 - 田舎教師ときどき都会教師

    初めて仙台駅から出た瞬間、その仙台という街にすぐさま好印象を抱いた。駅前に高架橋が張りめぐらされていて、それがむかしの人が想像したら近未来という感じで、カッコよいと思ったのだ。ふだん暮らしている人にはどうでもよいものか、場合によっては厄介なものかもしれないけれど、僕はその高架橋を行ったり来たりして、ワクワクするのを感じた。エスカレーターがついているから、昇り降りは負担にならない。 (横道誠『解離と嗜癖』教育評論社、2023) こんばんは。もともと好印象でしたが、仙台に《すぐさま好印象を抱いた》という横道誠さんに、さらなる好印象を抱きました。学生時代を過ごした、我が母校のある街を《カッコよい》って褒めてくれているわけですから。当事者紀行の国内編と銘打たれた『解離と嗜癖』の目次を見て、ワクワクするのを感じたんですよね。あっ、仙台にも行ってる(!)って。横道さんへの傾倒は、もはや「嗜癖」レベルか

    横道誠 著『解離と嗜癖』より。現実と幻想が交錯する、癖になる旅行記です。 - 田舎教師ときどき都会教師
    s-johnny
    s-johnny 2024/05/03
  • ジョージ・オーウェル 著『動物農場』より。すべての動物は平等である。だが一部の動物は他よりももっと平等である。 - 田舎教師ときどき都会教師

    さて、レーニンには主要な部下が二人いた。片方はレオン・トロツキー。インテリで理論面でも演説もうまい。書ではスノーボールのモデルだ。されに自ら赤軍の先頭にたって、政府軍や帝国残党との戦いを率いるというまったく予想外の軍事手腕も発揮し、外交手腕も見事だった。それと常に対立し続けたヨシフ・スターリンは、理論的にも軍事的にも経済政策的にも垢抜けず、恫喝と暴力的な手口によるゴリ押しが十八番ながら、それで新生ソ連の窮地を一応は切り抜けたことも多く、またそれなりの権謀術策と政治的駆け引きには長けていた。これはもちろん、ナポレオンのモデルとなる。 (ジョージ・オーウェル『動物農場』ハヤカワ文庫、2017) こんばんは。昨日行われた衆院3補欠選挙の投票率は、東京15区でも島根1区でも長崎3区でも過去最低を記録したそうです。東京15区に至っては40.7%です。約4割。30人学級だったら18人が投票しなかった

    ジョージ・オーウェル 著『動物農場』より。すべての動物は平等である。だが一部の動物は他よりももっと平等である。 - 田舎教師ときどき都会教師
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    s-johnny 2024/04/29
  • 藪下遊、髙坂康雅 著『「叱らない」が子どもを苦しめる』より。この本を課題図書にして、保護者と教員で読書会をしたい。 - 田舎教師ときどき都会教師

    「外の世界に合わせて自分を調整する」という体験は、子どもにとって非常に不快なものです。それまでは泣くなどの行為を通して、親に「環境を変えてもらった」という経験が中心でしたが、環境を変えるということが難しい状況や、子どもが環境に合わせなくてはならない状況が増えるのですから、その不快は自然な反応と言えます。 ここで強調しておきたいことが、こうした状況で生じる子どもの不快感を「関係性の中で納めていく」という関わりが必須であるということです。「思い通りにならない場面」で不適応を示している子どもの親と接していると、こうした子どもの不快感を「親の関わり方の失敗」と考えたり「不快にさせてはならない」と捉えたりしている人が非常に多いと感じます。 (藪下遊、髙坂康雅『「叱らない」が子どもを苦しめる』ちくまプリマー新書、2024) こんばんは。せっかくのゴールデンウィークなので、東京は新宿に足を運んで、以前か

    藪下遊、髙坂康雅 著『「叱らない」が子どもを苦しめる』より。この本を課題図書にして、保護者と教員で読書会をしたい。 - 田舎教師ときどき都会教師
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    s-johnny 2024/04/28
  • 泉房穗 著『政治はケンカだ!』より。故郷の明石を誰よりも愛し、誰よりも憎んでいる。 - 田舎教師ときどき都会教師

    それにしても、10歳から明石市長を目指していたとはすごい。 泉 はい。冷たいまち・明石を優しくするのが自分の使命だと思い、そのために生きていこうと心に決めたのです。東大受験のための勉強中に眠くなっても、「今、寝てしまったら救える人も救えなくなる」と気で考えてました。自分には使命があり、その使命を果たすためには「受験ぐらい通らなあかん」と。 (泉房穗『政治はケンカだ!』講談社、2023) こんにちは。小学5年生のときから明石市長を目指していたとはすごい。子どもたちにも伝えなければ(!)と思います。特に、受験産業に踊らされ、偏差値に踊らされ、使命感どころか優越感を得るために受験勉強をしているのではないか(?)と見受けられる一部の子どもたちには必ず伝えなければ(!)と思います。受験ができるという恵まれた家庭環境で育っているのだから、 使命感をもたなあかん、と。 春に百花あり(2024.4.7)

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    s-johnny
    s-johnny 2024/04/07
  • 横道誠 著『唯が行く!』より。大切なのはポリフォニー、複数性の共存です。 - 田舎教師ときどき都会教師

    一対一の対話は、たしかに既に「ダイアローグ」なのです。でもオープンダイアローグとしては不充分なんです。ひとつの声でもふたつの声でもなく、多数の声が響いてほしい。というのも、声がふたつだけならハーモニーを奏でやすく、つまり調和しやすく、結果的にモノフォニーとなってしまうからです。大切なのはポリフォニー、複数性の共存です。 (横道誠『唯が行く!』金剛出版、2022) こんばんは。ニューロマイノリティー(神経学的少数派)の横道誠さんらしい見方・考え方だなぁと思いつつ、教室につくっていかなければいけないのもポリフォニー、複数性の共存だなぁと、続けてそう思いました。教室だけでなく、職員室も然りです。不登校が増えているのも、教員の精神疾患が増えているのも、もしかしたらポリフォニーという概念の暗示すらなくなってきたことが原因かもしれません。目指す児童像とか、教員に求められる資質能力とか、なぜ「複数性の共

    横道誠 著『唯が行く!』より。大切なのはポリフォニー、複数性の共存です。 - 田舎教師ときどき都会教師
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    s-johnny 2024/04/03
  • 横道誠 著『ひとつにならない』より。ひとつになんかならないし、なれない。 - 田舎教師ときどき都会教師

    ADHDがあると、無軌道な人生を爆走する傾向があるが、自閉スペクトラム症者には規範意識が強いという逆向きのベクトルが備わっている。結果として、支離滅裂な日々を送りながら、不思議なくらいマジメという謎の人生が出現してくる。私も全くそういう人間なので、ラガーさんには深く共鳴する。 (横道誠『ひとつにならない』イースト・プレス、2023) こんばんは。「全く」ではないものの、私も意外とそういう人間なので、特に《支離滅裂な日々を送りながら、不思議なくらいマジメという謎の人生が出現してくる》というところには深く共鳴します。で、マジメにとって、4月1日はしんどい。知らない人たちがやってきて、職員室の雰囲気が変わるからです。とりわけ年度は、ガラッ。 しんどかったなぁ。 直感として、どうあがいても、ひとつにはなれそうにありません。4月1日について語るときに僕の語ること。真の発達は、別れた女と、払った税金

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    s-johnny
    s-johnny 2024/04/01
  • 近内悠太 著『利他・ケア・傷の倫理学』より。自己変容とは、物語文の予期せぬ改訂の別名である。 - 田舎教師ときどき都会教師

    やさしさの一人相撲から、二人相撲へ。 あなたと私が関わることで、私自身が変容する。私自身が救われることになる。 そんな理路を、一緒に進んでいってもらえたら。 (近内悠太『利他・ケア・傷の倫理学』晶文社、2024) こんばんは。昨日、勤務校のお別れの会があり、何人かの同僚が職場を去って行きました。花に嵐のたとえもあるさ、さよならだけが人生だ。とはいえ、 寂しい。 そんなふうに思えるのは、近内悠太さんいうところの理路を、パーシャルとはいえ一緒に進むことができたからかもしれません。あなたと私が関わることで、私自身が変容する。マルティン・ブーバーの『我と汝』を想起させるこの理路を、クラスの子どもたちにも進んでいってもらえたら。ケアが混ざり合う教室で、変わっていってもらえたら。 嬉しい。 利他・ケア・傷の倫理学 作者:近内悠太 晶文社 Amazon 近内悠太さんの『利他・ケア・傷の倫理学』を読みまし

    近内悠太 著『利他・ケア・傷の倫理学』より。自己変容とは、物語文の予期せぬ改訂の別名である。 - 田舎教師ときどき都会教師
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    s-johnny 2024/03/30
  • 笠井亮平 著「『RRR』で知るインド近現代史」より。非・非暴力の価値。 - 田舎教師ときどき都会教師

    ガンディーの「不在」は多くの評論家やメディアが気になったようで、S・S・ラージャマウリ監督にこの点を問い質している。たとえば米誌『ニューヨーカー』は彼へのインタビューで、「スバース・チャンドラ・ボースやバガト・シンのような歴史的人物を目立たせる一方で、ガンディーやアンベードカルといった非暴力の革命指導者を意図的に外したのではないか」という問いを投げかけている。これに対してラージャマウリ監督は「その質問に答えるのはうんざりしていますよ」と前置きした上でこう語っている。 (笠井亮平 著「『RRR』で知るインド近現代史」文春新書、2024) こんばんは。この「問い」は、上映当時、私の近辺でも話題になっていました。なぜ、映画『RRR』のエンディングで紹介された《フリーダム・ファイター(自由の闘士)》の中に、インドの国父であるマハートマ・ガンディー(1869ー1948)が含まれていなかったのか。 w

    笠井亮平 著「『RRR』で知るインド近現代史」より。非・非暴力の価値。 - 田舎教師ときどき都会教師
    s-johnny
    s-johnny 2024/03/26
  • 横道誠 著『イスタンブールで青に溺れる』より。横道誠さんの本に溺れる。 - 田舎教師ときどき都会教師

    発達障害の診断を受けてから、当事者研究(自分の疾患や障害を仲間と共同研究することで、生きづらさを軽減させる精神療法)に取りくんだ僕は、書を書きながら、自分に何が起こっていたのかを、遅ればせながら理解できるようになっていった。当事者研究の知見を利用した紀行の執筆。だから、この書は「当事者紀行」とも呼ぶべき新しいジャンルの可能性を開いている。ここに、書の人文書としての最大の意義があるだろう。 (横道誠『イスタンブールで青に溺れる』文藝春秋、2022) こんばんは。バンコクのカオサン通りで出会い、ノーンカーイまで旅を共にした学生さんが、実は発達障害だったということを帰国後に知り、たしかに変わっていたなぁと思ったことがあります。新聞にデカデカと出ていたんですよね、その彼が。学習障害乗り越え、東北大学大学院に合格って。おそらく限局性学習症(学習障害)以外の神経発達症(発達障害)も併発していたので

    横道誠 著『イスタンブールで青に溺れる』より。横道誠さんの本に溺れる。 - 田舎教師ときどき都会教師
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    s-johnny 2024/03/24
  • 横道誠 著『ある大学教員の日常と非日常』より。苦悩することによって人生は輝きを増す。 - 田舎教師ときどき都会教師

    僕は従来からフランクルには強く共鳴し、論文を書いたこともあるし、『唯が行く!』で当事者研究の思想的源泉として解説した。苦悩することによって人生は輝きを増す、苦悩することそのものに「体験価値」があるというフランクルの思想は、苦悩だらけの僕の人生を優しく照らしだす陽の光だった。フランクル自身が、強制収容所の生き残りということが、自然に尊敬の念を感じさせる。 (横道誠『ある大学教員の日常と非日常』晶文社、2022) こんばんは。昨日は卒業式でした。PTA会長の祝辞、よかったなぁ。若かりし頃の苦悩を、その後の輝きとともに物語ってくれて、ある大学教員の言葉を借りれば、まさに卒業生のこれからの人生を優しく照らしだす陽の光だったように思います。発達界隈の人たちのこれまでの人生を優しく照らしだす、横道誠さんののように、です。 体験価値って、大事。 生シラス(2024.3) 占いみたいなものじゃない? 卒

    横道誠 著『ある大学教員の日常と非日常』より。苦悩することによって人生は輝きを増す。 - 田舎教師ときどき都会教師
    s-johnny
    s-johnny 2024/03/23