裁判員の選任手続きで、検察、弁護側が理由を示さずに特定の候補者の選任を拒否する「忌避」が頻繁に行われている。 裁判員は無作為で選ばれるのが原則だが、裁判員裁判が始まった8月から3か月間で、忌避された候補者は229人に上った。 被告側が、裁判を有利に進めるために忌避をした結果、候補者の半数が除外されたケースもあり、「国民の幅広い層の意見を反映させる裁判員制度の趣旨に反する」との声も上がっている。 裁判員候補者の忌避は、検察側と弁護側が特定の候補者を裁判員に選ばないよう求める制度。理由を明らかにする必要はなく、補充裁判員の数に応じ、それぞれ最大7人(弁護側は1被告につき)まで認められる。 奈良地裁で11月20日に行われた選任手続きでは、辞退が許可された人などを除く候補者36人のうち21人が除外される事態となった。 集団強姦(ごうかん)致傷罪などに問われた20代の4被告側はそれぞれ3〜6人の計1