毎朝、D&DEPARTMENT DININGの開店準備中には、大きな音で誰かのお気に入り曲が流れ、みんなきびきびと支度や掃除をしている。 僕の机はその横にあって、毎朝、実はそれを楽しみにしている。とてもセンスがいい。誰からか「掃除中に流す曲を編集してこい」とか、仕事のようにやっているのではなくて、おそらく、誰かが勝手に好きにやっている。個人の感覚でやりきっている。怒られたら謝って、やめるだけ。そんな「やりきっている」感じがあって、それを誰かが感じて、そこから何かが生まれる。そういうのがとても好きだ。密かに企みでやってもいい。とにかく、頼まれる前に何か「自分を出し切る」行為が好きだ。 デザイン事務所をはじめて、そのころのほとんどの仕事は自主プレゼンと自主企画展のふたつの「自主活動」だった。自分のやりたいようなテーマで展覧会をして、細かな造作も誰に何も言われずにやりきる。もちろん当たり前だけれ