『スーパーマリオ』、『ゼルダの伝説』、『どうぶつの森』に象徴される、遊び心満載で、幅広い年齢層が楽しめるもの。それが真っ先に浮かぶかもしれない。 「よい子の任天堂」などという言葉も脳裏に浮かぶだろうか。 そんな任天堂のゲームの中で、非常にらしくなく、「トラウマゲー」とまで畏怖される作品が存在する。その名は『ファミコン探偵倶楽部』。1988年、ファミコンディスクシステム用ゲームソフトとして発売されたテキストアドベンチャーゲームだ。 なぜ『ファミコン探偵倶楽部』は任天堂らしくないゲームなのか。 ひとつに「遊び」よりもストーリー、ゲーム全体の流れを「味わう」ことに焦点を当てるゲームデザインを基本としていることが挙げられる。 ふたつに本作は任天堂随一の”ニッチ傾向強め”なクリエイター、坂本賀勇(さかもと よしお)氏が原作、脚本、そして監督を務められた作品であること。坂本氏と言えば、代表作の『メトロ