『ドラえもん』をはじめ、数々の魅力ある漫画作品を生み出し続けた、日本漫画界の巨人の一人、藤子・F・不二雄。その未完の連載作品『T・Pぼん』が、新たなアニメシリーズとして映像化され、Netflixからリリースされている。Netflixとともに製作を手がけているのは、“アニメ界の「ぼん」”こと、スタジオ「ボンズ」だ。 ここでは、『T・Pぼん』から感じ取ることのできる原作者・藤子・F・不二雄の手腕と、作品の狙いへの考察を基に、本シリーズの内容から垣間見える、作品全体のテーマとは何なのかを考えてみたい。 原作となった漫画『T・Pぼん』は、現代の日本に生きる平凡な中学生・“並平(なみひら)ぼん”が、『ドラえもん』の世界にも登場する組織「タイムパトロール(T・P)」の仕事に従事することになるという物語が描かれる。ある日ぼんは、T・P(タイムパトロール)隊員の少女、リームと出会ったことで、彼女の導きのも