◇仏教や音楽で集客回復 県立近代美術館(大津市)が来年度の企画展で、看板に掲げてきた「近代美術」の展示を中止し、音楽イベントや仏教美術など幅広い集客が見込める企画へと転換する。入館者の減少に歯止めが掛からず、深刻な経営難に陥ったため。09年度には初の赤字を計上し、経営改善は至上命題。幹部らは「近代美術だけではもう続かない」と話している。【安部拓輝】 同館は先月開いた会議で来年度の運営方針を決定。企画展の軸としてきた近代日本画や現代美術の展示を見送り、子どもから大人まで楽しめる絵本作家の作品展や昨夏に九州国立博物館で好評を得た近江の仏教美術の展覧会を開く方向で予算を要求した。 84年開設の近代美術館は近代日本画や戦後の現代美術の収集に力を入れ、87年度には19万2000人が来館。しかしその後は伸び悩み、93年度以降は減少傾向に転じた。05年度には前年度の6割の6万8000人まで落ち込み、収集