戦国時代というと男色が盛んだったといわれ、それはそれで確かに事実だったとは思われるが、実例として出される有名なカップリングはほとんどが史料的根拠を持っていない。 織田信長と森蘭丸の関係は、須永朝彦氏によってすでに否定されている。 蘭丸=美少年というイメージからして、江戸時代後期に付されたものであり、森蘭丸という人物が織田信長の小姓にいたかどうかも怪しいと思う。定説では信長の側近にいた森乱法師成利が森蘭丸であったとされているが、成利はすでに実名を名乗っているから元服済みだったはずである。そうすると森乱法師=小姓という前提からして難しくなってくる。「お乱」などと「お」がついている史料もあるが、戦国大名の側近に「お」がつく人物は『甲陽軍鑑』などにも見られる。これを男色と直結していいかどうか慎重な検証が必要だろう。 織田信長が前田利家と肉体の関係をもっていたというのも近年現れた奇説で、『亜相公御夜
![戦国男色の俗説 - [虎渓三笑]](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/0a23f73ad9c98ef65b6993d8ed3b46eb56ae4292/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fhbb.afl.rakuten.co.jp%2Fhgb%2F%3Fpc%3Dhttp%253A%252F%252Fthumbnail.image.rakuten.co.jp%252F%25400_mall%252Fbook%252Fcabinet%252F3360%252F33604398.jpg%253F_ex%253D300x300%26m%3Dhttp%253A%252F%252Fthumbnail.image.rakuten.co.jp%252F%25400_mall%252Fbook%252Fcabinet%252F3360%252F33604398.jpg%253F_ex%253D80x80)