パウリの排他原理古典物理学では光も電子も手に負えないということが徐々に明らかになり、物理の世界は新しい理論を求めるようになっていました。 こうした中登場したのが、量子力学の歴史を語る上で欠かすことのできない重要人物の一人、ヴォルフガング・パウリです。 彼はかなり早熟の天才でした。 世の中には「授業中に机の下に隠した漫画を読んでいた」なんて不届きな人もいるかも知れませんが、パウリの場合、退屈な授業中に隠れて読んでいたのは、アインシュタインの相対性理論の論文でした。 「ともかく物理学は難しすぎて、自分が物理学など何も知らない喜劇役者だったらよかったのにと思う」ヴォルフガング・パウリの肖像 / Credit:Wikipedia Commons 彼の最初の師となったのは、前回登場した「ボーアの原子モデル」に電子軌道が楕円という修正を加えて完成形に近づけたゾンマーフェルトでした。 ゾンマーフェルトは