「私は失業している『寿司マン』を一人も知りません」 オスカル・サルメロンはそう断言する。彼はマラガ県コスタ・デル・ソルにある「トロカデロ・グループ」の上級寿司職人(俗にいう「寿司シェフ」)だ。すでに4月のセマナ・サンタ(聖週間)の休暇に向けて和食の料理人を探しているが、一人も見つからないという。 「最低でも12人は必要なんですが、届く履歴書はごくわずか。応募者に電話しても、すでにもう別の店で働いているという状況なんです」と嘆く。求人ポータルサイト「インフォジョブス」だけでも、2022年には寿司専門の求人が前年に比べ28%増加し、スペインのオンライン求人市場では計300件を超えた。問題は、候補者がいないことではない。 「今年は、皿洗いの人たちまで引っぱってこなくてはいけなくなっています。仕事のあとに残って寿司を握る講習を受けてもらいます。もし彼らがその仕事を気に入り、さらに彼らにも見込みがあ