新型コロナウイルス感染症の流行で2020年のプロ野球開幕が見えない日が続いている。2020年シーズンをどのように進めていくか、各球団は検討を進めているようである。そうした検討で取り上げられた案の1つに日本シリーズを12月に行うというものがあった。新型コロナウイルス感染症への対策が十分に行えるか、気温が低下する状態での試合で選手の健康状態に悪影響はないのかといった懸念もあるが、現行の制度や契約面でも解決しなければならない問題がある。ここでは、そうした問題点を指摘したい。 12月に試合を行う場合に障害となる野球協約の規定 NPBが12月に試合を行おうとする場合に、まず障害となるのは日本プロフェッショナル野球協約(以下、「野球協約」という。)である。野球協約173条は、「球団又は選手は、毎年12月1日から翌年1月31日までの期間においては、いかなる野球試合又は合同練習あるいは野球指導も行うことは
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