戦争を知らない世代が増える中、戦争体験者の遺品をどのように活用するかが課題になっている。貴重な史料として個人で展示を模索する人がいる一方、フリーマーケットアプリに出品してお金に換える人も出始めた。歴史的な価値を理解できない孫世代が遺品を手にするケースが増えてきており、散逸が懸念される。 【写真】激戦地ニューギニアから生還して集めた品々 旧日本軍の飯ごうやラッパ…。机に並ぶ品々を前に、福岡県福津市の深田政武さん(67)は「有効活用できないか」と漏らした。自宅に保管するのはレプリカも含めて420点。激戦地ニューギニア島から生還した父(故人)が戦後に集めたものだ。 「死んでも帰れぬ」と言われるほど凄惨(せいさん)を極めたニューギニア。命を落とした日本兵約12万7千人の多くが餓死や栄養失調だったとされる。「死んだ戦友を忘れたくない」。生前、そう話していた父は、展示館「鎮魂の館」を造りたいと考えてい