◇「新方言」生んだ親心 「パンザマストが鳴ったら、家に帰ってね」「言わなくてもわかっているよ。パンザマストだね」。最初にその言葉を耳にしたのは平日の朝だった。研究員の妻と息子が少々気になるやり取りをしていた。齢(よわい)48ともなれば、流行語はなかなか頭に入らんのか、と思いつつも、その後も時折耳にする不思議な言葉。「パンザマスト……いったい何なんだ」。調べてみると、母親たちの願いが込められた「新方言」という意外な姿が浮かんできた。【研究員・橋本利昭】 まずは居住する柏市の市役所に出かけた。「それは児童の帰宅を促す柏市限定のアナウンスの呼び名なんです。夕方に防災無線で流されるメロディーですよ」。対応してくれた市教委生涯学習課の担当者はそう説明する。 確かに電話で問い合わせた限り、なぜか遠く大阪府松原市で同様の使用例があったが、県内では柏市だけで全国でも珍しい。子どもたちや母親世代、古くからの