「Mt.Fuji」は普通、「まうんと・ふじ」と発音するが、実は「ふ」は「FU」でも「HU」でもない。この違いを理解するには、「ふ」をさらに細かい要素に分解していく必要がある。音声学者たちは、国際音声記号(IPA:International Phonetic Alphabet)を開発することで、世界に存在するあらゆる音声を記述しようとしている。しかしIPAは、初学者には難易度が高い印象を与えることもあり、現に学生ウケが良いとはいえないという。そんななか、ポケモンや妖怪ウォッチなど知名度の高い題材を用いることで、音声学の間口を広げようと活動している研究者がいる。それが、慶應義塾大学言語文化研究所の川原繁人准教授だ。今回、IPAカードの作成資金を募るためのクラウドファンディングに挑戦中の専修大・平田佐智子氏が、IPAに関するインタビューを行った。 慶應義塾大学言語文化研究所の川原繁人准教授 IP