デイヴィッド・グレッグとは、以前エディンバラを訪れたときに、共通の知人の紹介で一度挨拶を交わしたことがある。すっかり緊張してしまって、自分が何を話したかはまったく記憶にないのだが、グレッグの話す英語がとても聞き取りやすかったことは覚えている。スコットランド訛りのない標準的な英語だった。それもそのはずで、日本に帰ってから調べてみると、グレッグは生粋のスコットランド育ちとは言いがたい経歴の持主だったのである。 グレッグは、1969年にスコットランドの首都エディンバラに生まれている。しかし、父親の仕事の関係で幼少期をナイジェリアで過ごすことになった。いったんスコットランドに戻った後、イングランド南西部にあるブリストル大学へ進学する。演劇教育にかけては定評のある大学だ。グレッグと同時期に、サラ・ケイン(1971年生まれ)やサイモン・ペッグ(1970年生まれ)も在学していた。さぞかし、刺激に満ちた学