ブックマーク / note.com/take_hotspur (2)

  • デイヴィッド・グレッグ『あの出来事』のためのノート2|谷岡健彦

    デイヴィッド・グレッグとは、以前エディンバラを訪れたときに、共通の知人の紹介で一度挨拶を交わしたことがある。すっかり緊張してしまって、自分が何を話したかはまったく記憶にないのだが、グレッグの話す英語がとても聞き取りやすかったことは覚えている。スコットランド訛りのない標準的な英語だった。それもそのはずで、日に帰ってから調べてみると、グレッグは生粋のスコットランド育ちとは言いがたい経歴の持主だったのである。 グレッグは、1969年にスコットランドの首都エディンバラに生まれている。しかし、父親の仕事の関係で幼少期をナイジェリアで過ごすことになった。いったんスコットランドに戻った後、イングランド南西部にあるブリストル大学へ進学する。演劇教育にかけては定評のある大学だ。グレッグと同時期に、サラ・ケイン(1971年生まれ)やサイモン・ペッグ(1970年生まれ)も在学していた。さぞかし、刺激に満ちた学

    デイヴィッド・グレッグ『あの出来事』のためのノート2|谷岡健彦
  • デイヴィッド・グレッグ『あの出来事』のためのノート1|谷岡健彦

    この秋、拙訳でデイヴィッド・グレッグ(David Greig)の『あの出来事』(The Events)が上演されることとなった。グレッグは国ではもう20年以上、第一線で活躍している劇作家だが、残念ながら、彼の名前は日ではまだあまり知られているとはいいがたい。そこで、観劇の手引きもかねて、この note にグレッグとその作品のことを記しておこうと思う。まずは、スコットランドの分離独立をめぐる住民投票が行なわれた2014年に、自分が『テアトロ』に寄稿した文章に少し加筆したものを転載しておく。ちなみに、現地の友人に確かめたところでは、彼の名字は「グレッグ」が原音に近い。 (以下、転載) 以前、イギリス人の知り合いと飲んでいるときに、「スコットランドのなかには、イングランドより北欧の方が近いところもある」と聞いたことがある。たしかに、スコットランド北部の離島からだと、ロンドンよりもノルウェーに

    デイヴィッド・グレッグ『あの出来事』のためのノート1|谷岡健彦
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