中学3年の時、親にそんなことを言われてケンカしてから、どれほどの年月が経っただろうか。 そんな私は、某国立大の大学院を出て、参考書の編集者をしている。 幼い頃から、勉強だけは好きで、よくできた。けれども運動もコミュニケーションもへっぽこだったので、小中(公立)時代は同級生にいつもからかわれた。それ以上に辛かったのは、私が好きな勉強のことで、話が出来る相手がクラスにいなかったことだ。 「商業高校?とんでもない!君は普通科に行って、大学に入りなさい」 中学の時の担任は私に、世の中には進学校と呼ばれる、勉強が得意な人が集まって大学進学を目指す高校があることを教えてくれた。今振り返ればバカみたいな話だが、ネットが普及してない当時、塾に通わず、通信教育や家庭教師の類もやってなかった私には、そうした情報を得られる機会がほとんどなかったのだ。両親は共に非大卒で大学受験に詳しくないし、世帯所得も多くなく、
各地でまちづくり活動が盛んに行われている。筆者もまた、文句しか言わない「ある地域」を除き、いくつかの活動にかかわっている。 筆者は地方大学で教鞭をとっており、学生と一緒に様々な活動をしているのだが、数年前にふと気づいたことがある。それは、学生らにまちづくりの活動をもちかけると、微妙に嫌そうな反応をすることだ。ほかの活動には積極的な姿勢をみせるのに、である。 つっこんで聞いてみた。怒らないからなんでも言ってみろと。なお、こういう場合に正直にいうと怒る大人がほとんどなので、学生諸君は気をつけてほしい。大人は汚いのだ。 そういうわけだから、筆者は怒らないし内緒にもすると確約した上で、本音を聞いた。答えは「クソダセェから」とのことだ。 大人の自己満なまちづくり 学生らの言い分は、ごもっともである。何人かの学生の意見を、以下の通りまとめてみる。 まちづくりと称して行われている活動のほとんどは、大人た
デイヴィッド・グレッグとは、以前エディンバラを訪れたときに、共通の知人の紹介で一度挨拶を交わしたことがある。すっかり緊張してしまって、自分が何を話したかはまったく記憶にないのだが、グレッグの話す英語がとても聞き取りやすかったことは覚えている。スコットランド訛りのない標準的な英語だった。それもそのはずで、日本に帰ってから調べてみると、グレッグは生粋のスコットランド育ちとは言いがたい経歴の持主だったのである。 グレッグは、1969年にスコットランドの首都エディンバラに生まれている。しかし、父親の仕事の関係で幼少期をナイジェリアで過ごすことになった。いったんスコットランドに戻った後、イングランド南西部にあるブリストル大学へ進学する。演劇教育にかけては定評のある大学だ。グレッグと同時期に、サラ・ケイン(1971年生まれ)やサイモン・ペッグ(1970年生まれ)も在学していた。さぞかし、刺激に満ちた学
この秋、拙訳でデイヴィッド・グレッグ(David Greig)の『あの出来事』(The Events)が上演されることとなった。グレッグは本国ではもう20年以上、第一線で活躍している劇作家だが、残念ながら、彼の名前は日本ではまだあまり知られているとはいいがたい。そこで、観劇の手引きもかねて、この note にグレッグとその作品のことを記しておこうと思う。まずは、スコットランドの分離独立をめぐる住民投票が行なわれた2014年に、自分が『テアトロ』に寄稿した文章に少し加筆したものを転載しておく。ちなみに、現地の友人に確かめたところでは、彼の名字は「グレッグ」が原音に近い。 (以下、転載) 以前、イギリス人の知り合いと飲んでいるときに、「スコットランドのなかには、イングランドより北欧の方が近いところもある」と聞いたことがある。たしかに、スコットランド北部の離島からだと、ロンドンよりもノルウェーに
I always feel like somebody's watching me: Bela Lugosi as Count Dracula and Frances Dade as Lucy in the 1931 film of Dracula based on the novel by Bram Stoker. Photo: Culture Club/Getty Images Opinion: It is possible to view the Count as Irish or influenced by the Ireland of Bram Stoker's time in many ways Many are probably aware of the Irish origins of the creator of Dracula, the 1897 novel that
最近読んだ本をご紹介します。ここのところノンフィクション系をいくつか読んでいましたが、今回はちょっと毛色の違う本です。 お砂糖とスパイスと爆発的な何か 不真面目な批評家によるフェミニスト批評入門(北村紗衣) お砂糖とスパイスと爆発的な何か—不真面目な批評家によるフェミニスト批評入門 作者:北村紗衣発売日: 2019/06/16メディア: 単行本(ソフトカバー) 書店でこの本と出会ったのは3週間ほど前でした。個性的なタイトル、ポップな表紙絵、おまけにライムスター宇多丸さんの帯コメントが付いていたことから気になって手に取り、立ち読みした前書きの軽妙な文体が「フェミニスト批評」なるワードのイメージとは違っておもしろいなあと思いつつもその時は買わず。 ▲前書きの試し読みができます あとで調べてみると、著者である北村紗衣さんのインタビュー記事を少し前に興味深く読んでいたことを思い出しました。そりゃ、
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