公益財団法人「微生物化学研究所(微化研)」と医薬品会社「Meiji(めいじ) Seika(せいか) ファルマ」が、うま味調味料の原料などに使われる「グルタミン酸」から、インフルエンザ治療薬のタミフルを合成する方法を開発した。 将来、タミフルの大量生産を安価に実現できる可能性がある。 タミフルは現在、製薬大手ロシュが特許を持ち、中華料理の香辛料「八角」を原料として、独占的に生産。しかし、八角の供給は主要産地の中国の天候などに左右されるため、新型インフルエンザの大流行時に、生産が追いつかない恐れも指摘される。 タミフルを石油由来の物質から合成する方法も考案されているが、グルタミン酸を基にすると、〈1〉途中の工程で爆発しやすい物質を生まず、安全に製造できる〈2〉合成する物質の構造を改良しやすく、ウイルスの変異に対応しやすい――などの利点があるという。