古都の悲願が紆余(うよ)曲折を経てかなうことになった。地方移転の検討対象となった中央省庁7機関のうち、唯一正式に決まった京都府への文化庁全面移転。2015年簡易国勢調査(今年2月発表、速報値)でも首都圏の人口増加が顕著で、東京一極集中に歯止めがかからない中、文化庁の京都移転は政府が掲げる「地方創生」の成否を占う試金石になる。具体的な移転場所の選定や費用負担のあり方など、受け入れには今後も課題が残る。 【京都御苑の近くは3カ所 具体的な候補地はここ】 政府が地方創生の目玉として「政府関係機関の地方移転」の提案を募集したのに応じ、府は昨年8月、文化庁の移転を提案。地方移転に関しては各省庁が強く反発し、文化庁京都移転も一筋縄ではいかなかった。 最初に出した提案書で府や市は、JR京都駅近くの市立小学校跡地など移転候補地4カ所を示した。ところが、昨年12月に視察した馳浩文部科学相は「がっかり」「