「裁判長の頭の中に落としどころがあり、そこに向かうように感じた」「時間を気にしすぎ」。いずれも裁判員が裁判長に抱いた感想だ。東京地裁で12日、全国初の裁判所主催の経験者意見交換会があり、こんな本音が相次いだ。 意見交換会には同地裁で最近、裁判員裁判に臨んだ男女7人が参加。市民と裁判官が量刑などを話し合う評議のあり方に意見が集まった。 殺人未遂事件を担当した会社員男性(33)は「(刑期は)『大体これくらいですかね』と裁判長から言われ、それが頭の中に残ってしまった」と指摘。殺人事件を担当したカメラマンの男性(25)は「裁判長は時間内に意見をまとめようとしすぎ。納得いくまで話し合えなかった」。同席した地裁の裁判官も「そのように思われてしまったこと自体が猛反省の材料」と話した。 辛口の感想の一方、「いい経験だった」との声は全員が一致。年配の男性は「プロの慣習に素人の意見が入ることで裁判の質が