裁判員制度は21日、09年5月の制度開始から3年目に入る。2年目は制度の定着が進む一方、起訴内容を争う否認事件や死刑求刑事件などの重大事件の審理が相次ぎ、全面無罪判決も計5件に上った。裁判員法は施行から3年が経過した段階で必要に応じて見直しを検討するとしているが、現状では審理の長期化や裁判員の心理的負担などの課題も現れている。刑事裁判への「市民参加」が本格化した2年目を検証した。【和田武士、野口由紀、伊藤一郎、石川淳一、小田中大】 ◆裁判員の声 ◇控訴に「ホッと」/被告の表情見続けた/「原則」貫き無罪 制度1年目はゼロだった死刑判決が2年目には5件言い渡された。5件目となった3月の長野地裁判決で裁判員を務めた男性会社員(42)は今月、改めて取材に応じ、複雑な胸の内を明かした。 「『心から償う』と言っていた被告が控訴したので驚いたが、確定すると私たちが命を左右したことになる。高裁が判断するこ
裁判員制度は21日、09年5月の制度開始から3年目に入る。2年目は制度の定着が進む一方、起訴内容を争う否認事件や死刑求刑事件などの重大事件の審理が相次ぎ、全面無罪判決も計5件に上った。裁判員法は施行から3年が経過した段階で必要に応じて見直しを検討するとしているが、現状では審理の長期化や裁判員の心理的負担などの課題も現れている。刑事裁判への「市民参加」が本格化した2年目を検証した。【和田武士、野口由紀、伊藤一郎、石川淳一、小田中大】 ◆裁判員の声 ◇控訴に「ホッと」/被告の表情見続けた/「原則」貫き無罪 制度1年目はゼロだった死刑判決が2年目には5件言い渡された。5件目となった3月の長野地裁判決で裁判員を務めた男性会社員(42)は今月、改めて取材に応じ、複雑な胸の内を明かした。 「『心から償う』と言っていた被告が控訴したので驚いたが、確定すると私たちが命を左右したことになる。高裁が判断するこ
裁判員制度施行から21日で2年となるのを前に、読売新聞社はこの1年間に裁判員・補充裁判員を務めた人を対象にアンケートを実施した。 2年目は重大事件の審理が各地で本格化したが、回答した121人のうち6割近くが、国民が死刑判決に関わることに賛成した。一方で4割近くが性犯罪を対象外にすべきだと答えるなど、施行後3年の来年以降に行われる制度見直しの検討に向けて、課題も浮かび上がった。 全国の地裁・支部で昨年5月21日以降に判決があった裁判員裁判を担当した男性78人、女性43人から回答を得た。 制度2年目は5件の死刑判決が言い渡された。裁判員らの心理的な負担を懸念する声があったが、回答者の57%が死刑判決に国民が関わることに「賛成」と答え、「反対」の37%を上回った。「賛成」とした男性会社員(57)は、「重大な裁判に市民感覚を反映させる制度が死刑に無関係になれば、(制度の)必要性が薄らぐ」と記した。
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く