4月、東京大学のある教室は熱気に包まれていた。演壇に立つのは、現代中国語圏で最も影響力を持つ作家の一人、台湾出身の龍應台氏。中国本土で発売禁止となった彼女の著書が、17年の時を経て「東京」で産声を上げたのだ。彼女が説く、台湾海峡をめぐる反戦論がいま、大きな議論を呼んでいる。高潔な「平和」と「和解」の呼びかけは、なぜ一部の同胞から拒絶されるのか。その背後に横たわる、戦争よりも残酷な「平和」の正体に迫る。 講演する龍應台氏 東京大学 26年4月18日 この記事の画像(6枚) この文章は、東京大学のある中国人訪問学者が執筆し、東京大学大学院の阿古智子教授が翻訳したものを編集した記事である。 中国禁書が東京で出版「実に皮肉なこと」 2026年4月18日午後、東京大学駒場キャンパスの900番教室は500人を超える人で満席となった。講演は中国語で行われた。主催者によると、近年の東京大学における中国語に

