「常々宮崎はこんな言い方をするんですよ。『子どもに絶望を語るのはよくない。希望を語ろう』。本人の言葉を借りると、ハウルという映画のように、ストーリーその他をこんなに一生懸命考えた作品は、自分の作品なんだけどめずらしいと。にもかかわらず、いわゆる子どもへの……自分が伝えたいことが、大人に寄りすぎたという大きな反省があったんですよ。それを知ってたからハウルの公開前に『次は子どもものをやりましょう』と僕のほうから言いました」 「個人的には、気がついたら宮崎駿という人と約30年付き合ってきて、いろんな作品をつくってきたんですけれど、ハウルという作品は彼が自分で本当に思っていることが色濃く出た作品でおもしろく観たんです。ただ、自分の心情を強く語りすぎているので、作品としてのバランスは欠いたんだなあって。それなら今度やるとしたらその真逆、いわゆる子どもに対してきちんとしたものを見せようと」 ところが、