ブックマーク / davitrice.hatenadiary.jp (11)

  • 「ブルジョワ文化」が失われたことがアメリカの社会問題の原因? - 道徳的動物日記

    www.philly.com 今回紹介するのは、Philly.comというサイトに掲載された、ペンシルヴァニア大学のロースクールの教授であるエイミー・ワックス(Amy Wax)とサンディエゴ大学法学部の特別教授であるラリー・アレクサンダー(Larry Alexander)による「ブルジョワ文化の破綻の代償(Paying the price for breakdown of the country's bourgeois culture)」という記事。 この記事の冒頭では、現代のアメリカに存在する様々な問題が羅列されている。仕事に就けるような資格を持っている人が少なすぎること、労働力年齢にある男性で実際に仕事に就いている人の割合は大恐慌時代並みの低水準であること、オピオイド系鎮痛剤中毒の蔓延、殺人や暴力犯罪の増加、婚姻していないカップルのもとに生まれたりシングルマザーによって育てられる子供の

    「ブルジョワ文化」が失われたことがアメリカの社会問題の原因? - 道徳的動物日記
  • ある生物種が絶滅することの何が問題なのか? - 道徳的動物日記

    オックスフォードのPractical Ethicsブログに、2015年の8月に倫理学者のカティア・ファリア(Catia Faria)が公開した記事を訳して紹介。 blog.practicalethics.ox.ac.uk 「生物種の絶滅を悪いこととする理由は(もしそんな理由が存在するとすれば)何であるか?」 by カティア・ファリア 歴史を通じて、やがては絶滅する運命の生物種が数えきれないほど誕生してきた。自然的な過程によって起こった絶滅にせよ人間の手によって起こった絶滅にせよ、絶滅は悪いことであり、絶滅を防いだり場合によっては絶滅しかけている生物種を回復させるための自然保全が行われるべきである、ということには環境科学者も一般大衆も同意をしているように思われる。多くの場合、自然保全のリソースは、生態系から長らく失われていた絶滅危惧種を再導入するために費やされる。別の場合には、外来種の登場に

    ある生物種が絶滅することの何が問題なのか? - 道徳的動物日記
  • 「動物の苦痛の道徳的重要性」 by ロジャー・クリスプ - 道徳的動物日記

    昨日に引き続き、オックスフォードのPractical Ethicsのブログから、2015年6月に公開された、倫理学者のロジャー・クリスプ(Roger Crisp)の記事を訳して紹介。 blog.practicalethics.ox.ac.uk 「動物の苦痛の道徳的重要性」 by ロジャー・クリスプ 最近、私はシェリー・ケイガン(Shelly Kagan)が「応用倫理協会」にて行った、「生物種主義の何が問題か?( ‘What’s Wrong with Speciesism?’)」と題された素晴らしいレクチャーに参加した。レクチャーの冒頭でケイガンは、人間以外の動物に関するピーター・シンガーのいくつかの著作を教材とした授業を教えているうちに、シンガーが擁護しているような「他の条件が同じであれば、動物の苦しみは人間の苦しみと同等に問題となる」という主張に自分は疑念を抱くようになった、ということを

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  • 科学や理性はなぜ人々や社会の道徳的向上をもたらすか(宗教はなぜ人々や社会の道徳的向上をもたらさないか) - 道徳的動物日記

    The Moral Arc: How Science Makes Us Better People 作者: Michael Shermer 出版社/メーカー: Griffin 発売日: 2016/01/26 メディア: ペーパーバック この商品を含むブログを見る これまでにも何度か紹介しているマイケル・シャーマーの『 The Moral Arc: How Science and Reason Lead Humanity toward Truth, Justice, and Freedom (道徳の弧:科学と理性はいかにして私たちを真実と正義と自由に導くか)』について、『道徳の弧』の内容についてシャーマー自身が答えているインタビューも参照しながら、また紹介してみたい。 www.huffingtonpost.com 『道徳の弧』で行なわれている主な主張は、「人類は科学的で理性的な思考方法を発達

    科学や理性はなぜ人々や社会の道徳的向上をもたらすか(宗教はなぜ人々や社会の道徳的向上をもたらさないか) - 道徳的動物日記
  • 宗教はいかにして人を道徳的にするか(ロバート・パットナム『アメリカの恩寵』) - 道徳的動物日記

    今日は『American Grace: How Religion Divides and Unites Us(アメリカの恩寵:宗教はアメリカ人をいかに分断していかに結び付けているか)』について軽く紹介しよう。このはロバート・パットナムというデビッド・キャンベルという二人の政治学者の共著で、前者は『孤独なボウリング』や『われらの子ども』などの著作で有名。の内容を紹介するといっても、600ページ以上に渡る大著であり、アメリカの人々が信仰している宗教の歴史や現状の紹介、ジェンダーやエスニシティについて宗教はどのような関わりを持つか、アメリカ政治において宗教はどのような役割を果たしているかなど、アメリカにおける宗教についてありとあらゆる側面から論じているであるので、全部の内容を紹介することはさすがにできない。とりあえず、13章の「Religion and Good Neighborlines

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  • 「善と悪は科学で測れるか?」 by サム・ハリス - 道徳的動物日記

    www.samharris.org 今回紹介するのは、心理学者哲学者・神経科学者のサム・ハリス(Sam Harris)が自著『Moral Landscape: How Science Can Determine Human Values(道徳の風景:科学はいかにして人間の価値を決定することができるか)』で行っている議論をハリス自身が紹介している記事。 サム・ハリスはリチャード・ドーキンスやクリストファー・ヒッチェンズなどと並んで、英米の新無神論(New Atheism)ムーブメントを牽引する人物であり、2004年に出版された著書『信仰の終焉:宗教、テロ、理性の未来(The End Of Faith: Religion, Terror, and the Future of Reason)』はかなり話題になったようだ。現在でも痛烈にキリスト教やイスラム教を批判し続けており、最近ではテレビ番組に

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  • 男性はなぜ孤独であるのか(トマス・ジョイナー『Lonley at the Top』) - 道徳的動物日記

    以前に趣味で読んだ洋書の内容を紹介するシリーズ。今回の記事には自殺の話題が含まれているので、読む際には注意してほしい。 Lonely at the Top: The High Cost of Men's Success 作者: Thomas Joiner Ph.D. 出版社/メーカー: St. Martin's Press 発売日: 2011/10/25 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 今回紹介する『Lonely at the Top: The High Cost of Men's Success』の著者トマス・ジョイナー(Thomas Joiner)はアメリカの心理学者で、自殺とその予防について専門的に研究している人だ。『なぜ人は自殺で死ぬか(Why People Die by Suicide)』などの著作がある。一般向けに書かれたであるが、ジョイナー自身が自殺

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  • タチアナ・ヴィサク『幸せな動物を殺すこと』:置き換え可能性の議論、総量功利主義と先行存在功利主義、非同一性問題 - 道徳的動物日記

    Killing Happy Animals: Explorations in Utilitarian Ethics (The Palgrave Macmillan Animal Ethics Series) 作者: Tatjana Višak 出版社/メーカー: Palgrave Macmillan 発売日: 2013/08/23 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 今回はドイツ人女性の倫理学者タティアナ・ヴィサク(Tatjana Visak)の著書『Killing Happy Animals: Explorations in Utilitarian Ethics (幸せな動物を殺すこと:功利主義での探求)』の内容について軽く紹介したい。 こののテーマを一言で書くなら「功利主義は生命が置き換え可能であるという主張を認めなければいけないか」というものである。生命の置き換

    タチアナ・ヴィサク『幸せな動物を殺すこと』:置き換え可能性の議論、総量功利主義と先行存在功利主義、非同一性問題 - 道徳的動物日記
  • 社会運動を効果的に行うためにはどうすればいいのか? - 道徳的動物日記

    Change of Heart: What Psychology Can Teach Us About Spreading Social Change (English Edition) 作者: Nick Cooney 出版社/メーカー: Lantern Books 発売日: 2015/09/01 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 今回は、ニック・クーニー(Nick Cooney)の著書『心を変える:社会を変える方法について心理学が教えてくれること(Change of Heart: What Psychology Can Teach Us About Spreading Social Change)』について軽く紹介しよう。 クーニーは主に動物愛護運動を行っている社会活動家であり、  Wikipediaによると、Mercery for Animals や The Hu

    社会運動を効果的に行うためにはどうすればいいのか? - 道徳的動物日記
  • 「死ぬ権利」を整備することは「死ぬ義務」につながるのか? - 道徳的動物日記

    以下のツイートを目にしたのをきっかけに、前々から思っていたことを書こうと思う。 この学会の構成員は医療従事者(半数が医師)約4000人で、比較的小さな学会だが、こういうところからも「尊厳死」の世論作りを始めてきたんだね。 / ”人が望まなければ救命措置せず” 臨床救急医学会が提言 | NHKニュース https://t.co/r8V8ZGXIpz — 双極鑷子 (@shiso_ume) 2017年4月7日 それを受けて”自称”安倍晋三の盟友である横倉日医師会会長は、高齢者の尊厳ある終末期医療について検討を始めることを決めたが、「財政の観点ではなく、人間の尊厳ある死を国民と考えていくことが大切だ」と述べた。しかし、尊厳ある生がこれほどおろそかにされた社会で、尊厳ある死を持ち出すか。 — 双極鑷子 (@shiso_ume) 2017年4月7日 近代医療の技術はそのまま輸入し、近代医療の生権

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  • 「動物実験のコストとベネフィット」 by アンドリュー・ナイト - 道徳的動物日記

    今回紹介するのは、倫理学者のアンドリュー・ナイト(Andrew Knight)が2011年New Internationalist のwebページに掲載した「動物実験のコストとベネフィット(The costs and benefits of animal experiments)」という記事。ナイトは同じ題名の単著も出しており、他にも動物実験やその他の動物倫理に関する題材を取り上げた論文・記事を書いているようだ。人のホームページはこちら。 newint.org 「動物実験のコストとベネフィット」 by アンドリュー・ナイト 信じられないほど複雑な構成をしているとはいえ人間の身体は機械の一種である、という強烈な主張を、動物実験の支持者であるラリー・ピクロフト(Laurie Pycroft)が New Internationalist誌の最新号で発表した。 もちろん、人間たちも動物たちも、単

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