昨年の秋、私は病室にいた。 24歳といういい歳をした大人が、大声で泣きじゃくり、何人もの看護師さんがかわるがわる慰めに来る。「お願いです、退院させてください」そうせがむ私に、しまいには別の科のお医者さんまで私を説得に来た。 なぜ、私がそこまで退院したかったのか。 理由はただ一つ、お金がなかったからだ。入院費を払えば無一文になる。明日の見えない不安から、私は我も忘れて泣き続けた。 ー私は、実家が家賃1万5千円の県営住宅、父の年収が100万円という貧困家庭で育った。 父は精神障害に加え、複数回の事故による手術で身体が弱い。両親とも超貧困家庭育ち。親戚もみな貧乏で、ほぼ中卒だった。 そんな生い立ちの私は、小さい時から、 "いつ生活がどうなるかわからない恐怖感"、 "受けたい教育や投資が受けられない悔しさ"を何度も感じて生きてきた。 父の入院や失業など、あらゆる困難に翻弄されるたび、胸が潰れるよう
![私が"普通"と違った50のこと〜貧困とは、選択肢が持てないということ〜|ヒオカ](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/a4d3b44503e9cb88a320e370e040fad81707a8e7/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fassets.st-note.com%2Fproduction%2Fuploads%2Fimages%2F27147212%2Frectangle_large_type_2_e2194d45a17d7bc23440aafafc15bc27.jpeg%3Ffit%3Dbounds%26quality%3D85%26width%3D1280)