OL物のAVが気になって仕事が手につかないロシア人宇宙飛行士。宇宙からその視線を首筋に感じる平凡なOLは、ある昼下がり、公園のベンチ裏からノートを見つける。そこには野糞を採取する男の記録が……。(虹色ノート」)。 ほか、「人間性の宝石 茂林健二郎」「泡沫の遺伝子」「生成不純文学」の四篇を収録。 と、真面目な前置きからいきなり木下古栗の紹介で申し訳ない。以降はちゃんと真っ当な文学を紹介するのでご安心いただきたいが、やはり現代純文学の旗手(笑)、木下古栗の新刊が出たのであれば紹介するしかない。以前紹介した前々作『金を払うから素手で殴らせてくれないか』(https://www.tedium-life.com/entry/2016/06/05/200348)から前作『グローバライズ』で更に進化したその筆致は本作品で更に異形の変化を遂げている。 内容についてはあらすじが全てなので深くは語らないが、こ