防衛省は12日、日米共同訓練の開会式での訓示で「『信頼してくれ』という言葉だけで(日米同盟は)維持されるものではない」と述べた陸上自衛隊第44普通科連隊長の中沢剛1等陸佐に対し、幹部自衛官として不適切な発言だったとして、文書で注意した。 防衛省は中沢氏からの聞き取り調査などを実施した上で、「政治や外交を軽視すると受け取られかねず、首相発言を批判していると誤解を招く発言だ」と判断した。中沢氏は「結果として誤解を招くような発言をし、申し訳ない」と釈明したという。 鳩山由紀夫首相は昨年11月の日米首脳会談で、米軍普天間飛行場移設問題をめぐり、オバマ大統領に「トラスト・ミー(私を信じて)」と伝えていた。中沢氏は「首相の発言を引用したり批判したわけではない」とコメントしたが、北沢俊美防衛相は12日の記者会見で、「最高指揮官(首相)の言葉を引き合いに出していることから、何らかの処置をする」と述べていた