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  • 寛容な子育てに必要な脳

    理化学研究所(理研)脳神経科学研究センター 親和性社会行動研究チームの篠塚 一貴 研究員、黒田 公美 チームリーダーらの国際共同研究グループは、霊長類(サル)の子育ての寛容性に必要な脳部位を特定しました。 研究成果は、将来的に児童虐待やネグレクトなど、不適切な子育ての科学的な理解と対策に貢献すると期待できます。 霊長類のコモン・マーモセット[1]は樹上で生活しますが、新生児は自分で移動できないため、父母と上のきょうだいが代わる代わる背負う必要があります。コモン・マーモセットの育児は、家族の協力を必要とする重労働なのです。 今回、国際共同研究グループはコモン・マーモセットの子育てには、背負いを求めて鳴く子に対応する「感受性」と、背負いの忍耐強さである「寛容性」という二つの要素があり、これらの個体差が子育ての個性を作っていることを見いだしました。また、子育てをするときには前脳底部の内側視索前

    寛容な子育てに必要な脳
  • アトピー性皮膚炎の発症年齢の遺伝基盤

    理化学研究所(理研)生命医科学研究センター ゲノム解析応用研究チームの寺尾 知可史 チームリーダー(静岡県立総合病院 臨床研究部 免疫研究部長、静岡県立大学 薬学部 ゲノム病態解析講座 特任教授)、ファーマコゲノミクス研究チームの曳野 圭子 特別研究員、莚田 泰誠 チームリーダー、東京大学大学院 新領域創成科学研究科 メディカル情報生命専攻 複雑形質ゲノム解析分野の小井土 大 助教(理研 生命医科学研究センター ゲノム解析応用研究チーム 客員研究員)らの共同研究グループは、2021年に発表したアトピー性皮膚炎を対象にした最大規模のゲノムワイド関連解析(GWAS)[1]の結果を用いて、日人のアトピー性皮膚炎の発症年齢の遺伝基盤を解明しました。 研究成果は、発症年齢によるアトピー性皮膚炎の病態の違いのさらなる解明とそれらを考慮した治療選択、高リスク患者に対する遺伝的に発症するリスクの高さに

    アトピー性皮膚炎の発症年齢の遺伝基盤
  • スーパーコンピュータ「富岳」を利用した国際共同研究チームの研究成果が「ゴードン・ベル賞」を受賞

    スーパーコンピュータ「富岳」を利用した国際共同研究チームの研究成果が「ゴードン・ベル賞」を受賞 -「富岳」の高い総合性能に国際的評価- 理化学研究所(理研)計算科学研究センター(R-CCS)に設置されているスーパーコンピュータ「富岳」[1]を利用した共同研究成果が、高性能並列計算を科学技術分野へ適用することに関してイノベーションの功績が最も顕著と認められた成果に与えられる米国計算機学会の「ゴードン・ベル賞[2]」を受賞しました。 受賞したのは、CEA(フランス)、Lawrence Berkeley National Laboratory(アメリカ)、ARM(フランス)、ATOS(フランス)、CNRS(フランス)、GENCI(フランス)、理研の国際共同研究チームが進める研究成果で、理研からはR-CCSプログラミング環境研究チームの佐藤三久チームリーダーが参加しています。 こうした海外の研究機

    スーパーコンピュータ「富岳」を利用した国際共同研究チームの研究成果が「ゴードン・ベル賞」を受賞
  • 今読みたいえりすぐりの科学本『科学道100冊 2022』

    で唯一の自然科学の総合研究所である理化学研究所(理研)[1]との可能性を追求する編集工学研究所[2]による科学道100冊プロジェクト[3]。書籍を通じて、科学者の生き方や考え方、科学の面白さや素晴らしさを届けることを目指し、えりすぐりのを紹介しています。このたび、2022年度版「科学道100冊 2022」を発表します。 2017年にはじまった科学道100冊プロジェクトは、全国の書店・図書館教育機関などでフェアが展開され、多くの人たちに科学の良書との出会いを提供してきました。多くの方から大変好評をいただき、2019年からは中学生・高校生を中心とした幅広い層に対して、科学の多様な魅力を継続的に伝えるべく、毎年恒例の企画としてリスタートしました。 2019、2020、2021のフェアは、全国約500か所の図書館教育機関・書店などで展開され、さまざまなメディアに取り上げられました。 今

    今読みたいえりすぐりの科学本『科学道100冊 2022』
  • 松岡 聡 センター長が受賞した「クレイ賞」の授賞式・記念招待講演 が行われました

    理化学研究所(理研)計算科学研究センターの松岡 聡 センター長がスーパーコンピュータの最高峰の業績賞である「クレイ賞[1]」("IEEE Computer Society Seymour Cray Computer Engineering Award")の2022年受賞者に選出され注1)、その授賞式が、米国テキサス州ダラスのケイ・ベイリー・ハッチソン・コンベンション・センター ダラスおよびオンラインで開催中のHPC(ハイパフォーマンス・コンピューティング:高性能計算技術)に関する国際会議「SC22」において、11月15日に執り行われ、さらに同会議の11月16日には記念招待講演が行われました。 「クレイ賞」受賞は日人3人目[2]ですが、松岡 センター長は2014年に「シドニー・ファーンバック賞[3]」("IEEE-CS Sidney Fernbach Award")を受賞しています。 「ク

    松岡 聡 センター長が受賞した「クレイ賞」の授賞式・記念招待講演 が行われました
  • 難治性前立腺がんをアルファ線で攻撃 | 理化学研究所

    大阪大学 医学系研究科 核医学の渡部 直史 助教ら放射線科学基盤機構(機構長 富山 憲幸)の研究チームは、前立腺がんに発現する前立腺特異的膜抗原(PSMA: Prostate Specific Membrane Antigen)を標的とした新たなアルファ線治療に用いるアスタチン標識PSMAリガンド([At-211]PSMA5)の開発に成功しました。 今回、開発したα線治療用リガンドを前立腺がんのモデルマウスに静脈内投与したところ、腫瘍に高い集積を示し、単回投与で腫瘍の退縮効果が長期間持続することが確認されました。前立腺がんは世界的に増加傾向にあり、国内では男性で新規罹患数の最も多いがんとなっています(国内新規患者数94,748人/年)。手術後の再発病変に対してはホルモン療法が実施されますが、ホルモン療法抵抗性で多発転移を伴う場合は、有効な治療法が限られます。一方、PSMAの発現はホルモン療

  • 細胞のマイクロ環境を操作

    理化学研究所(理研)⽣命機能科学研究センター 集積バイオデバイス研究チームの太田 亘俊 研究員、田中 陽 チームリーダー(研究当時)らの研究チームは、複数のガラスキャピラリーを組み込んだマイクロ流体デバイス[1]を用いて、数百万個の培養細胞のうち、数個~2,000個の細胞のみを化学刺激する手法を開発し、少数細胞周辺のマイクロ環境(細胞分泌物を含む細胞周辺の局所的な液体環境)の制御が可能であることを実証しました。 研究成果は、マイクロ環境を介した細胞間相互作用の解明を促進するとともに、細胞組織分析や生物組織工学へ広く応用されると期待できます。 生体内の細胞はさまざまな物質を分泌し、細胞組織に応じたマイクロ環境を形成することが知られています。マイクロ環境はがんの発生などにも関与することから、培養細胞とマイクロ流体デバイスを用いた実験系の確立が試みられています。しかし従来の手法では、マイクロ環

    細胞のマイクロ環境を操作
  • 〝酵母〟なのか〝キノコ〟なのか | 理化学研究所

    菌類はさまざまな姿形をとることが知られており、その形態に応じて呼称が変わります。顕微鏡レベルの微小な菌糸を主体とするものは「カビ」と呼ばれます。いわゆる「キノコ」は、胞子をつくるために菌糸が集合してできた構造物で、生物学では子実体と言います。そして、出芽や分裂によって単細胞のまま増殖する菌類は「酵母」などと呼ばれています。 多くのキノコ類は担子菌門と呼ばれる菌類のグループに含まれます。その中でもシロキクラゲ目の仲間は、発育の過程(生活史)においてキノコと酵母の両形態をとります(ちなみにシロキクラゲ目の一部の種は、中華料理で「銀耳」と称する不老長寿の材とされています)。しかし、酵母としてはあまり認識されてきませんでした。また、一部の酵母は担子菌門に属すことが分かっていましたが、酵母から子実体を誘導するのは困難で、系統関係が未解明のままでした。これらのことから、シロキクラゲ目の分類学的研究は

  • いつでも快適に使える「富岳」を提供

    スーパーコンピュータ「富岳」は、日中の研究者や企業が利用し、幅広い分野で顕著な成果を次々に上げています。その陰には、巨大な計算機システムを安定的に運転し、ユーザーが快適に計算できるようにするために、日々努力している人々がいます。さまざまな側面から「富岳」の運用を支えている四つのユニットのリーダーたちに、それぞれの活動を聞きました。 左から 計算科学研究センター 運用技術部門 山 啓二(ヤマモト・ケイジ)先端運用技術ユニット ユニットリーダー 塚 俊之(ツカモト・トシユキ)施設運転技術ユニット ユニットリーダー 村井 均(ムライ・ヒトシ)ソフトウェア開発技術ユニット ユニットリーダー 宇野 篤也(ウノ・アツヤ)システム運転技術ユニット ユニットリーダー 熱を捨てるのも大仕事 「富岳」もパソコンも、計算を行う部品であるCPU(中央演算装置)と、データをためておくストレージから成る基構成

    いつでも快適に使える「富岳」を提供
  • 関節リウマチにおけるリウマチ因子サブタイプと遺伝因子

    理化学研究所(理研)生命医科学研究センター ゲノム解析応用研究チーム の寺尾 知可史 チームリーダー(静岡県立総合病院 免疫研究 部長、静岡県立大学 特任教授)、石川 優樹 研究員、京都大学大学院 医学研究科の夜久 愛 大学院生らの共同研究グループは、関節リウマチ患者の血中に見られる自己抗体[1]の一つであるIgG型リウマチ因子(IgG-RF)[2]の有無が、HLA-DRB1遺伝子[3]上のシェアドエピトープ(SE)[4]のアレル[5]の特定のパターンと関連することを発見しました。 研究成果は、自己免疫疾患[1]の代表である関節リウマチの患者の病態進展予測や、患者ごとの病型に応じた治療戦略の開発に向けた研究に貢献すると期待できます。 今回、共同研究グループは、京都大学医学部附属病院に通院する関節リウマチ患者743名の血液サンプル中の自己抗体の有無と関節リウマチの強いリスクであるSEアレル

    関節リウマチにおけるリウマチ因子サブタイプと遺伝因子
  • スーパーコンピュータ「富岳」世界ランキングの結果と理化学研究所の今後の対応について

    理化学研究所(理研)が2020年4月に試行的利用を、2021年3月に共用を開始したスーパーコンピュータ「富岳」は、世界のスーパーコンピュータに関するランキングの、「HPCG(High Performance Conjugate Gradient)」、「Graph500」において6期連続の第1位を、「TOP500」で第2位、「HPL-AI」において第3位を獲得しました。この結果は「富岳」のフルスペック(432筐体、158,976ノード)によるものです。 これらのランキングは、現在米国テキサス州ダラスのケイ・ベイリー・ハッチソン・コンベンション・センター・ダラスおよびオンラインで開催中のHPC(ハイパフォーマンス・コンピューティング:高性能計算技術)に関する国際会議「SC22」において、11月14日付(日時間11月15日)に発表されました。 「富岳」は、多様なアプリケーションを高性能かつ低電

    スーパーコンピュータ「富岳」世界ランキングの結果と理化学研究所の今後の対応について
  • スーパーコンピュータ「富岳」Graph500のランキング結果について

    スーパーコンピュータ「富岳」Graph500のランキング結果について -ビッグデータの処理で重要となるグラフ解析で最高の評価- 理化学研究所(理研)、九州大学、株式会社フィックスターズ、富士通株式会社による共同研究グループは、スーパーコンピュータ「富岳」[1]のフルスペックを用いた測定結果で、大規模グラフ解析に関するスーパーコンピュータの国際的な性能ランキングである「Graph500」のBFS部門において、世界第1位を6期連続で獲得しました。 このランキングは、現在米国テキサス州ダラスのケイ・ベイリー・ハッチソン・コンベンション・センター・ダラスおよびオンラインで開催中のHPC(ハイパフォーマンス・コンピューティング:高性能計算技術)に関する国際会議「SC22」に合わせて、Graph500 Committeeから11月14日(日時間11月15日)に発表されました。 大規模グラフ解析の性能

    スーパーコンピュータ「富岳」Graph500のランキング結果について
  • 全ゲノム解析による慢性リンパ性白血病患者の層別化に成功

    a)全ゲノムシーケンス解析によるDNA変異の特定。 b)CLLに関連するDNA変異(186のCLLドライバー)の特定および変異パターンの解析により患者ゲノムデータを五つのCLLサブグループへ層別化。 c)CLL患者をDNA変異パターンの類似性解析により層別化、五つのCLLサブグループと実際の臨床経過区分との関連。 今後の期待 研究を用いれば、CLL患者を五つのCLLサブグループに層別化して、この層別化に対応する最適な治療を最初に受けることができ、副作用の可能性がある不必要な治療を省くことができます。また、新しい標的療法の臨床試験に最も適した患者の選択にも役立ちます。今後、研究において解析しなかった新たな標的療法を受けた患者のデータについて追加解析をすることで、効果的な治療法の予測精度を上げる可能性もあります。 また、研究により、CLLの原因となる可能性がある新たなドライバーが発見され

    全ゲノム解析による慢性リンパ性白血病患者の層別化に成功
  • 国際ゲノム解析により関節リウマチの遺伝的背景を解明

    2022年11月10日 理化学研究所 大阪大学 東京大学 京都大学 産業医科大学 東京医科歯科大学 東京女子医科大学 ハーバード大学 理化学研究所(理研)生命医科学研究センター ヒト免疫遺伝研究チームの石垣 和慶 チームリーダー、大阪大学大学院 医学系研究科の坂上 沙央里 助教(ハーバード大学 医学部 博士研究員)、理研生命医科学研究センター ゲノム解析応用研究チームの寺尾 知可史 チームリーダー、東京大学大学院 新領域創成科学研究科の松田 浩一 教授、京都大学大学院 医学研究科の松田 文彦 教授、産業医科大学 医学部の田中 良哉 教授、大阪大学大学院 医学系研究科の熊ノ郷 淳 教授、東京医科歯科大学 難治疾患研究所の高地 雄太 教授、東京女子医科大学 医学部の猪狩 勝則 特任教授、理研生命医科学研究センター 自己免疫疾患研究チームの山 一彦 チームリーダーらが参加し、理研生命医科学研究

    国際ゲノム解析により関節リウマチの遺伝的背景を解明
  • 「仁科芳雄記念室お披露目会」およびシンポジウム「理化学研究所仁科研究室のキセキ」を開催しました

    理化学研究所(理研)は10月28日、「仁科芳雄記念室お披露目会」およびシンポジウム「理化学研究所仁科研究室のキセキ」を開催しました。 日原子物理学の父・仁科 芳雄は、1931年、当時東京駒込の地にあった理研で仁科研究室を創設し、素粒子などの理論研究やサイクロトロンを利用した原子核物理学の実験研究、原子力工学、宇宙線研究などの基礎研究を進め、応用研究や社会実装へも展開させました。 昨年で仁科研究室創設90周年を迎えたことや、公益財団法人仁科記念財団より譲り受けた博士の机や椅子などを用いて研究室を再現した展示施設「仁科芳雄記念室」の新設を記念して、執り行われました。 お披露目会では、柴﨑 光子 和光市長を来賓としてお迎えし、仁科 芳雄ゆかりの方々にご臨席いただきました。五神 真 理事長は「この日を迎えることができ、大変嬉しく思う。新たな「仁科芳雄記念室」を訪れた人々が、当時の様子を肌で感じ、

    「仁科芳雄記念室お披露目会」およびシンポジウム「理化学研究所仁科研究室のキセキ」を開催しました
  • 肝臓がんの分子分類と治療薬選択

    理化学研究所(理研)生命医科学研究センターがんゲノム研究チームの藤田征志上級研究員(研究当時、現客員研究員)、中川英刀チームリーダー、岩手医科大学医歯薬総合研究所医療開発研究部門の西塚哲特任教授らの国際共同研究グループは、プロテオミクス解析[1]により、肝臓がんが三つに分子分類できることを明らかにし、それぞれの肝臓がんに最適となる薬物療法を見つけました。 研究成果は、肝臓がんに対する免疫療法や分子標的薬の選択、および新しい治療薬の開発に貢献すると期待できます。 今回、国際共同研究グループは、これまで理研において全ゲノムシーケンス解析[2]を行ってきた259例の肝臓がんに対して、RPPA法[3]を用いて機能的タンパク質発現情報を取得し、全ゲノムとRNA発現情報を統合して解析し、肝臓がんの機能的分子分類を行いました。その結果、三つの群(R1、R2、R3)に分類できることが判明し、各群にとって

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  • DXとAIが新しい科学の世界を切り開く

    情報技術を使った「DX(デジタルトランスフォーメーション)」がさまざまな場所で進んでいます。高橋恒一チームリーダーが挑むのは研究現場のDXAIやロボットを使いこなす新しい科学研究現場には新しい価値観や文化の醸成が大事だと語ります。 挑むのは生命科学研究の自動化 高橋チームリーダーはいま、神戸市のポートアイランドにある理研神戸地区内に、ロボットによる生命科学実験の拠点を構築している。その主力となる実験ロボットが、汎用ヒト型ロボット「LabDroidまほろ」である(図1)。このロボットは個別の実験操作を高精度でこなすが、これまではどの実験操作をいつどのようにどのような順番で行うのか、という計画を自ら立てることはできなかった。そこで、高橋チームリーダーらは自動で実験計画を立案するAIを開発し、AIとロボットに自らiPS細胞のより良い培養条件を発見させることに成功した。高橋チームリーダーが提唱す

    DXとAIが新しい科学の世界を切り開く
  • ヒトの複雑な形質に対する希少なコピー数多型の影響

    理化学研究所(理研)生命医科学研究センター ゲノム解析応用研究チームの寺尾 知可史 チームリーダー(静岡県立総合病院 免疫研究部長、静岡県立大学 特任教授)らの国際共同研究チームは、ヒトゲノムに数十万個存在するといわれるコピー数多型(CNV)[1]を従来の方法よりはるかに高感度に検出する手法を開発しました。 研究成果は、現在の技術では遺伝子型決定が困難な遺伝子領域の遺伝的多型とこれに関連する形質への影響の解明につながると期待できます。 今回、国際共同研究チームは、世界で数千万人以上の規模でデータが存在するDNAマイクロアレイ[2](SNP[2]アレイ)のデータを用いて、祖先から継承された染色体の一部(セグメント)によってCNVを検出する「HI-CNV(Haplotype-Informed Copy-Number-Variation)」という手法を確立しました。HI-CNVでは、従来法(P

    ヒトの複雑な形質に対する希少なコピー数多型の影響
  • 吉田 稔 研究政策審議役が文化功労者に選出

    吉田 稔 研究政策審議役(環境資源科学研究センター ケミカルゲノミクス研究グループ グループディレクター/環境資源科学研究センター 創薬・医療技術基盤連携部門 創薬シード化合物探索基盤ユニット 基盤ユニットリーダー)が令和4年度文化功労者に選出されました。日において、文化の向上・発達に関して特に功績顕著な方が文化功労者として選出されます。 吉田 研究政策審議役は、長年にわたり化学生物学の発展に尽力してきました。世界初の特異的ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤の発見など、多くの化合物の作用機序を解明して真核生物の遺伝子発現機構の解明とそれを端緒とする新しい抗がん剤開発の基礎を作り、一部はすでに実用化されました。また、酵母のゲノムにコードされる全ての遺伝子の薬剤感受性を一括して調べるケミカルゲノミクス法の開発など、組織的な化学生物学研究の基盤を確立しました。 顕彰式は11月4日に都内にて行われる

    吉田 稔 研究政策審議役が文化功労者に選出
  • 量子光のパルス波形を自在に制御する手法を開発 | 理化学研究所

    レーザーの発明が科学技術の発展に大きく貢献したように、優れた光源の開発は知的フロンティアを開拓する原動力になります。レーザー光を任意のパルス波形で出力する「任意波形発生器(AWG: Arbitrary Waveform Generator)」は現時点で最も汎用性の高い光源の一つですが、古典光であるレーザー光のみを扱うという性質上、量子技術への応用には限界があります。量子技術の開発という現代科学の重要な課題に挑むには、量子光を自在に出力する新しい光源が必要となるでしょう。 今回、国立大学法人東京大学の高瀬 寛 助教と古澤 明 教授らは、日電信電話株式会社、国立研究開発法人情報通信研究機構、国立研究開発法人理化学研究所の研究チームと共に、あらゆる量子光を所望のパルス波形で出力する光源である「量子任意波形発生器(Q-AWG: Quantum Arbitrary Waveform Generat