理化学研究所(理研)脳神経科学研究センター 親和性社会行動研究チームの篠塚 一貴 研究員、黒田 公美 チームリーダーらの国際共同研究グループは、霊長類(サル)の子育ての寛容性に必要な脳部位を特定しました。 本研究成果は、将来的に児童虐待やネグレクトなど、不適切な子育ての科学的な理解と対策に貢献すると期待できます。 霊長類のコモン・マーモセット[1]は樹上で生活しますが、新生児は自分で移動できないため、父母と上のきょうだいが代わる代わる背負う必要があります。コモン・マーモセットの育児は、家族の協力を必要とする重労働なのです。 今回、国際共同研究グループはコモン・マーモセットの子育てには、背負いを求めて鳴く子に対応する「感受性」と、背負いの忍耐強さである「寛容性」という二つの要素があり、これらの個体差が子育ての個性を作っていることを見いだしました。また、子育てをするときには前脳底部の内側視索前