ポストヒューマニティーズ――伊藤計劃以後のSF 作者: 飯田一史,海老原豊,岡和田晃,小森健太朗,シノハラユウキ,蔓葉信博,藤井義允,藤田直哉,山川賢一,渡邉大輔,限界研出版社/メーカー: 南雲堂発売日: 2013/07/25メディア: 単行本この商品を含むブログ (39件) を見る かつて蓮實重彦はこういった。「SF映画は存在しない」と。 未来を語るはずのSFは、小説という形式に落としこまれると「過去時制」によって語られ、映画という形式を用いると、今度は「現在進行形」として表現される。それゆえに「SF映画は存在しない」のだと、蓮実はいう。 渡邉は、この蓮実重彦の「SF映画批判」を批判する。 蓮実がSF映画はその形式によって内容が空洞化してしまうのだといったことに対して、渡邉はこの形式こそが、映画という表象メディアのなかで「SF的イメージ」を豊かにしてきたのだと主張する。そしてこの形式は、