劇場アニメのコクリコ坂を見たとき、画面に強い違和感があった。 その理由は、木造の人工物と普通の樹木で絵のタッチが違うことだ。 木造の家や電柱や看板は写真と見まがうほど緻密に書き込まれているのに、 樹木のほうは葉の茂みがまるで水彩画のようにぼんやりと描かれているのだ。 絵のタッチが異なる家と庭木が混在する街並みが度々出てくるので、気が散って仕方が無かった。 アリエッティも酷かった。 全体を通じて植物に生命感が無く、人物と背景が調和してない。 特に最後の川下りのシーンは、岸際の草たちが完全にイミテーションだった。 駿だったらこんな無神経な画面は絶対に許さないのではないか。 片隅は家も植物も同じタッチで描かれていて目に心地よかった。