「サトウ トスオ」と氏名が記されたカード。右下の個人ファイル欄が空白になっている=モスクワ、副島写す 【モスクワ=副島英樹】第2次世界大戦後にシベリアなど旧ソ連に抑留された日本軍人らの個人情報を記した新資料を、ロシア国立軍事公文書館が朝日新聞に公開した。カード形式で約75万枚。シベリア抑留の全体像の解明につながると期待されている。全資料はスキャンしてCD化され、日本側に提供される。 個人カードは図書館の検索用の目録に酷似。「サトウ」「スズキ」などと仕分けされた木箱の引き出しが約750個ずらりと並び、一つの引き出しに約1千枚のカードが保管されている。 カードには収容所の番号をはじめ、「氏名」「誕生年・生誕地」「職業」「軍階級」「捕虜になった場所と時期」「移動歴」など、表と裏に計13の欄がある。それぞれの収容所で手書きされ、かすかに変色していた。 カードは館内の別の収納庫に保管されてい