地上戦を経験し、焦土と化した沖縄。たくましいオバァたちが、戦後復興を支えてきた。その沖縄が、今、再開発で変わりつつある。失われていく沖縄の風景、そして心、アイデンティティ。変わりゆく姿は、沖縄社会に軋轢を生んでいる。広がる格差、県内での対立。殺伐とする社会の中で、次の世代につないでゆくべき沖縄の姿とは。沖縄に関する多数の著書を執筆されている、作家の仲村清司氏に伺った。(取材・構成/増田穂) ——仲村さんはご両親が沖縄のご出身で、ご自身は大阪のお生まれですよね。現在は那覇にお住まいとのことですが、何がきっかけで沖縄に移住しようと思ったのですか。 僕は大阪の中でも此花区という、沖縄出身者や在日コリアンが多い地域で育ったんです。当時は学校に行けば4人に1人は被差別民族という環境でした。大阪は今でも同和政策がありますが、その頃も差別は多く、自然に部落の問題や自分のルーツである「沖縄」という存在に敏
歌手の松山千春さんが8月20日昼、トラブルで遅延した札幌(新千歳)発大阪(伊丹)行き全日空1142便の機内で、自身の代表曲「大空と大地の中で」を歌った。乗客がイライラを募らせる中で、たまたま搭乗していた松山さんが機転を利かせたとして絶賛されている。 当時、同機は、保安検査場の混雑というトラブルのため、出発が約1時間遅れていた。松山さんが「機内が和むように歌いますよ」と申し出て、機長の許可をもらってマイクをつかって、「大空と大地の中で」を熱唱した。この様子をおさめた動画がYouTubeにアップロードされており、乗客からは拍手がおこっている。 一方で、音楽とはいえ著作物であることには変わりない。アップロードした乗客、松山千春さん、航空会社の三者について、著作権の観点から、どんな分析ができるのだろうか。著作権にくわしい齋藤理央弁護士に聞いた。 ●乗客がアップロードすることは? 著作権法で、音楽は
2017年08月22日 日経新聞「インハウスの人材供給が追い付かない。『弁護士は余っている』という見方は当てはまらなくなってきている。」 インハウス弁護士 存在感 10年で10倍、IT企業が積極採用 新事業、法的リスク見極め(2017/8/21付 日本経済新聞 朝刊) http://www.nikkei.com/article/DGKKZO20126810Y7A810C1TCJ000/ 企業が弁護士を社員や役員などとして抱える「インハウス(企業内)弁護士」が急増している。コーポレートガバナンス(企業統治)の意識の高まりを受けたばかりでなく、IT(情報技術)企業などでは新規事業を立ち上げる際にも重要な役割を演じる。半面、人材供給が追い付かないなど課題も多い。 (中略) 人材不足が課題 ただ、こうした需要増に、人材供給は追いついていないのが現状だ。弁護士の就職や採用支援のサイト「ジュリナビ」を
一時代前の多くの弁護士たちには、基本的に自分たちが社会から処遇されないなどいうことは考えられなかったと思います。少なくとも、正当に処遇されないかもしれないという不安感は、たとえ報酬に対する依頼者の不満に接することがあったとしても、希薄だったのではないでしょうか。 それは、この「改革」に対する彼らの当初の受けとめ方のなかでも、変わらなかったようにみえました。弁護士の間では、いわゆるこれまでの自分たちの「敷居が高さ」を反省として受けとめる言を度々耳にしましたが、これも本来弁護士に頼るべき人が頼れない環境を自ら作ってきたという捉え方の反省でした。 法曹人口増の必要性への捉え方も、弁護士会の市民へのPRも同様ですが、常に自分たちは社会から必要とされ、必要とする人たちが実は潜在的に沢山存在しているという見方が根底にあります。だから、弁護士を増やせば、弁護士への誤解を解けば、報酬が透明化されれば、アク
「なんておもしろいの!」 この本を読んでいると、ページをめくるたびにこの一言が口をついて出る。 戦国時代を専門とする著名な学者・小和田哲男氏が時代考証にあたった大河ドラマ『江〜姫たちの戦国』で、こんなことがあったそうだ。浅井長政の小谷城が織田信長に攻め落とされる場面。 最近の研究では、小谷城は実際には燃えていなかったことが判明している。小和田は炎上シーンは描かないように要請した。しかし番組スタッフは、城が燃えていないと、落城が一目でわからないから、少しだけ火をつけさせてほしいという。小和田はしかたなく「少しだけですよ」と念を押したが、放送を見ると、城は見事に…… 小和田教授は「小谷城が焼けてないこともしらないのか」という不名誉を被ったというから辛い立場である。 秀吉の「一夜城」といえばドラマには欠かせない名場面である。ところがなんと。この「一夜城」の存在は、現在の研究では全面的に否定されて
『男が痴漢になる理由』(イースト・プレス) 2017年上半期、ネットやワイドショーを賑わした痴漢問題。とはいえ、取り上げられるのは痴漢冤罪の話題が多く、痴漢の実態についてはなかなか触れられることがなかった。 こうした世間の流れに一石を投じることになるであろう書籍『男が痴漢になる理由』(イースト・プレス)が18日に発売された。著者の斉藤章佳氏(精神保健福祉士・社会福祉士)は、アジア最大規模といわれる依存症治療施設である榎本クリニック(東京都)で、12年に及び日本で先駆的に性犯罪の再犯防止プログラムに取り組んできた専門家だ。現行の報道では何が抜け落ちているのか、また痴漢加害者の実像について聞いた。 ■痴漢は冤罪よりも犯罪に及ぶケースのほうが圧倒的に多い事実 ――痴漢冤罪が大きな話題になっているなかでの今回の著書タイトル。とても挑戦的と感じました。 斉藤章佳氏(以下、斉藤): 痴漢を疑われた男性
痴漢をする人は何を考えているのか。その思考が理解できなければ撲滅は難しい。精神保健福祉士・社会福祉士で、加害者臨床が専門の斉藤章佳氏は、「ストレス対処法が少ないサラリーマンが痴漢に走りがち」と分析する。幼い頃からの持病に耐えるため痴漢に及んだという高校生の話から、彼らの根底にある「認知の歪み」をつまびらかにする。 ※以下は斉藤章佳『男が痴漢になる理由』(イースト・プレス)「まえがき」と第2章からの抜粋です。 数は多いのに、実際にどんな人物なのか表に出てこない。それが痴漢です。それなのに社会では、ありあまる性欲を持て余した気持ちの悪いモンスターのような男性や、女性に相手にされない非モテ男性といった誤った“痴漢像”が定着しています。これでは痴漢をひとりでも多く捕まえて撲滅しようにも、適切な対策がとれません。 痴漢という日常的な性暴力、そして痴漢に対する社会の態度に、私は日本における性犯罪の問題
来年4月の保育園開園の延期が決まった武蔵野市の市有地=同市吉祥寺南町3で2017年8月23日、福沢光一撮影 東京都武蔵野市が吉祥寺南町3の市有地に来年4月の開園を目指していた認可保育園が、近隣住民の合意を得られず開園を延期したことが23日、分かった。市は住民説明会や意見交換会、職員による戸別訪問を続けているが、住民の間に反対も強く、理解を得るには時間が必要と判断した。計画は白紙に戻さず、来年度中の開園を目指す。 保育園の予定地は、吉祥寺駅徒歩約10分の閑静な住宅地にある約1400平方メートルの空き地。市によると、住民からは通園時の車の通行や園児の声などに対する懸念が出ているという。市は、住民から一定の合意を得られれば、運営事業者を公募し、事業者と共に運営のルールを住民と協議していく方針だった。市の担当者は「保育園の音や通園、景観の問題などについて近隣住民の意見を聞きながら誠意をもって対応し
山梨県山梨市の職員採用試験を巡る汚職事件で、市長だった望月清賢容疑者(70)が収賄容疑で逮捕されたことを受け、市は、職員採用試験の在り方を検討する会議を設置した。9月17日に2017年度の1次試験が迫る中、試験制度の見直しに乗り出した形だが、事件全容は明らかになっておらず、不正の根絶につながるかは不透明だ。 市の職員採用試験は、1次(教養試験、専門試験、事務適性検査)、2次(職場適応性検査、小論文、面接)に分かれている。1次は外部委託しており、戻って来た点数を市の担当者がパソコンに打ち込んでいた。合格ラインは市長、副市長、市秘書人事課長が決定。2次では小論文、面接の採点を市長、副市長、教育長が行い、3人が合議して最終的な合格者を決めていた。
戦後復興に向けて村長を隊長として1946年に組織された「読谷山村建設隊」(読谷山村は読谷村の旧名)が記した誓約=読谷村提供 沖縄県読谷村が、村立では全国初となる公文書館の設置計画を進めている。太平洋戦争末期の沖縄戦で、米軍の上陸地点となった村は大部分の土地が接収され、現在も村面積の約36%を米軍基地が占める。土地返還運動や、事件事故を巡る米軍への抗議活動など村の取り組みを記した公文書を整理・保存し、戦後の沖縄の記録を積極的に発信していく方針だ。 村が公文書を重視する背景には、沖縄戦の苦難がある。戦火で住民戸籍謄本などの公文書が焼失し、1984年に始まった村史編集は難航。外務省や防衛省に出向いて史料を収集した。編集作業に携わった泉川良彦・村立図書館長は「公文書を残す大切さをつくづく感じた」と振り返る。
東京都の小池百合子知事が、都立横網町(よこあみちょう)公園(墨田区)で九月一日に営まれる関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式への追悼文送付を断ったことが分かった。例年、市民団体で構成する主催者の実行委員会が要請し、歴代知事は応じてきた。小池氏も昨年は送付していたが方針転換した。団体側は「震災時に朝鮮人が虐殺された史実の否定にもつながりかねない判断」と、近く抗議する。 (辻渕智之、榊原智康) 追悼文を断った理由について、都建設局公園緑地部は本紙の取材に、都慰霊協会主催の大法要が関東大震災の九月一日と東京大空襲の三月十日に開催されることを挙げ、「知事はそこに出席し、亡くなった人すべてに哀悼の意を表しているため」と説明。「今後、他の団体から要請があっても出さない」としている。
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