はじめに 不偏性 推定量 不偏推定量 不偏性を有さない推定 正規分布の分散の推定 不偏推定量は必ずしも良い推定量ではない バリアンス バイアスとバリアンス 両者を考慮した平均二乗誤差 正規分布の不偏分散と標本分散の比較 はじめに つい最近、統計を用いた分析の講義的なものを聴きました。 統計分析は目的に応じて手法を適宜使い分けなければなりません。 その講義では、分散の計算には標本分散ではなく不偏分散を使いましょうという具合の話がありました。きっとその分野では不偏分散を扱ったほうが良い分析ができるということなのでしょう。ところが、多くの人は単にそれを鵜呑みにしているだけだったりしないでしょうか。 不偏分散がなぜ良いのか、あるいは本当に良いのであろうか、ということは一考の余地があります。今回は推定量の良し悪しの基準の1つである不偏性について説明し、分散の推定を例にその不偏性をもたらす推定が必ずし