真田家の家紋の「六文銭」と「結び雁金」。「三途の川の渡し賃」を意味するといわれる六文銭は真田家のシンボルで、一族が死をも恐れない集団であることを示した。蓮華定院で撮影(撮影/写真部・東川哲也) この記事の写真をすべて見る 東京・中目黒のビル2階に、素材にこだわった雑炊やパスタが評判のおしゃれな飲食店がある。その名を「和伊WAI食堂 真田丸」。放映中のNHK大河ドラマにあやかり名づけたのだろうと思えば、 「そう言われるお客さんが最近多いんですけど、オープンは30年前です」 と、。店主の久保安男さん(60)は笑う。そんじょそこらの「幸村好き」とは、年季が違うのだ。 高校生のとき、友人に勧められて司馬遼太郎の『城塞』を読んだ。大坂の陣を題材にした小説だ。 時は1614年。豊臣方が建立した京都・方広寺の鐘の銘文に徳川家康が言いがかりをつけ、「大坂冬の陣」を起こす。この時、幸村は豊臣秀頼の呼びかけに
