ただ私を困らせようとしているだけに思える対応 「すみません、○○ホテルまでお願いします」とシートベルトを締める私を一瞥したドライバーの顔は、どこか不機嫌に見えました。出張先で土地勘がないため地図アプリを立ち上げると、目的地までは車で10分かかるかどうか。 はいはい、と面倒臭そうに車を発進させたドライバーに「住所、お伝えした方がいいですか」と話しかけると、「いや、道路の名前で言ってもらわないと分かんないよ」と鼻で笑われてしまいました。 「あれ、もしかして行き先がわからないまま走っているのか」と思って窓の外を見ると、タクシーはまるで躊躇する様子もないスピードで夜の街を駆け抜けていきます。私は焦って、すぐに現在地からホテルまでの経路を調べなおし、信号待ちのタイミングで、ドライバーにスマートフォンの画面を見せようとしました。 「ごめんなさい、私はここらへんの土地勘がないので今アプリで調べましたけど