早川タダノリ 『「愛国」の技法』を刊行してから、このタイトルはどんな意味なのですか?と何人もの方から尋ねられました。 この本のコンセプトは、「自称愛国者のみなさんに贈る、こうすればもっと気持ちヨクなる愛国活動」です。謝国権先生や奈良林祥先生の後塵を拝して、神国日本へのさまざまな「愛のかたち」を列挙しました。ですから、謝国権先生や奈良林祥先生の性科学書と同じく、書かれてある「技法」や「愛のかたち」を全部実践すると死んでしまいます――ということを、ここで言いたいわけではありません。 実際のところ「愛国の技法」とは、「有無をいわせぬ大義を振りかざして、思いどおりに他人を支配する技術」のことです。幻想的な「国家との一体感」に安心立命を求めるのみならず、オレは「国家と一体」だから「オレに従え」という権力欲とワンセットになっているのが、当時も、そして現在も変わらぬ「愛国心」の正体なのです。 戦前・