厚生労働相の諮問機関「中央最低賃金審議会」の小委員会は26日、最低賃金(現行時給平均730円)の引き上げ目安額を全国加重平均で6円と決めた。現行制度になった02年度以降、過去最高の引き上げ幅となった前年度の17円に比べ、今回は東日本大震災の影響から小幅にとどまった。 今月始まった小委員会の議論では、労使の代表が震災の影響を巡って対立。「被災者の暮らしや復興支援のためにも大幅アップが必要」と主張する労働組合側に対し、経営者側は「震災で経済への打撃が懸念され引き上げは被災地を含む地方の企業の存続を脅かす」と真っ向から反論。25日夜から始まった4回目の小委員会も12時間以上の応酬が続いた。 一方、現状では地域によって最低賃金より生活保護の給付水準(生活扶助、住宅扶助の合計額)が高い逆転現象が起きており、労働意欲の低下を招きかねないとして、その差の解消も同審議会の課題となってきた。厚生労働省に