ジョージ・エルトン・メイヨー教授(1880―1949年)は、マネジメント思想の大きなターニングポイントの1つとなった一連の実験の指導者として名声を獲得している。彼はウェスタンエレクトリック社のホーソン工場において、短期間のインセンティブよりもむしろ意思決定に従業員を参画させる方が仕事の満足度は上がることを発見した。 人生と業績 オーストラリア生まれのメイヨーは、アデレード大学で心理学を専攻し、1911年にはクイーンズランド大学の論理学、倫理学、心理学の講師(後に哲学の教授)に任命された。 職業上の理由からアメリカに移住したいと切望し、1923年にペンシルバニア大学での職を得た。ここで彼は、ホーソン実験の前哨戦とでもいうべき調査研究に従事することになった。フィラデルフィアの紡績工場のある部門の離職率は、同じ会社の他部門平均が6%だったのに対し、25%だった。そこでこの部門でさまざまな労働条件