「天使たちのシーン」 ***** 海岸を歩く人たちが砂に 遠く長く足跡をつけてゆく 過ぎて行く夏を洗い流す雨が 降るまでの短すぎる瞬間 真珠色の雲が散らばってる空に 誰か放した風船が飛んでゆくよ 駅に立つ僕や人混みの中何人か 見上げては行方を気にしている いつか誰もが花を愛し歌を歌い 返事じゃない言葉を喋りだすのなら 何千回ものなだらかに過ぎた季節が 僕にとてもいとおしく思えてくる 愛すべき 生まれて育ってくサークル 君や僕をつないでる穏やかな 止まらない法則 大きな音で降り出した夕立ちの中で 子供たちが約束を交わしてる 金色の穂をつけた枯れゆく草が 風の中で吹き飛ばされるのを待ってる 真夜中に流れるラジオからのスティーリー・ダン 遠い町の物語話してる 枯れ落ちた木の間に空がひらけ 遠く近く星が幾つでも見えるよ 宛てもない手紙書き続けてる彼女を 守るように僕はこっそり祈る 愛すべき 生まれ