「もしオフィス内になければ、普通のダイニングカフェだと思って、うっかり客として入店してしまいそう」。広告会社博報堂の社食に足を踏み入れた瞬間、そんな思いが頭をよぎった。 モダンなインテリアに囲まれた社食は、本社受付奥とその階下の2フロアにまたがり広がっている。テーブルが100台あることから「100tables」という。2008年5月、東京・赤坂への本社移転に伴いオープンした。 この移転に先駆け、博報堂は2006年春、新社屋のオフィスコンセプトを検討するプロジェクトチームを発足。当時プロジェクトリーダーを務めた中馬淳(ちゅうま・じゅん)さんは、「第三者から見たら社員食堂かもしれないが、社員食堂ではない」と、100tablesのコンセプトを説明する。社食ではない社食とは一体どういう意味だろうか。 社食は単なる一機能――「人」「情報」に出会える多機能な空間へ 以前、イマドキの福利厚生特集で博報堂