海外で流行ったサービスが日本では必ずしもヒットしないように、地域による文化の独自性は、その場で生まれるコンテンツやコミュニケーションのあり方に大きな影響を与える。今後、ITの発達に従ってそれらはどう変化していくのか。メディアアーティスト・落合陽一氏と、ITビジネスのプロである尾原和啓氏の対談。 対比の中に本質を見出す、日本人の感性 尾原(以下、尾):落合さん、こんにちは。本(『ITビジネスの原理』)はいかがでした? ここが面白かったというところがあれば。 落合(以下、落):あの本の半分以降は実は文化の話じゃないですか。アメリカと日本はどう違うのか、今は英語ドリブンだけどネット社会の言語が多様化したらそれぞれの文化が言語圏によってどう変わっていくのかという話。その辺りで自分の属する日本の文化というものをすごく深く考えさせられましたね。 たとえば、香辛料ビジネスの話が出てきますよね、インド人が