巨大資本の参入で、オタク産業の一角を担う同人誌書店に業界再編の兆しが見え始めている。かつては同人誌即売会でなければ手に入らなかったマンガ・アニメ等の同人誌を、いつでも気軽に買えるものへと変貌させた、同人誌書店。果たして生存競争に勝利するのは、どの書店なのか。 オタクの街、秋葉原。そこには「コミックとらのあな」「COMIC ZIN」「アニメイト」「メロンブックス」などいくつもの店舗が軒を連ねている。これらの書店が、同人誌市場を巨大化させる一翼を担ってきたことは、いうまでもない。 このマーケットに新たに参入を決めたのが、大手新刊書店チェーンの「文教堂」だ。文教堂は、大日本印刷の連結子会社で、首都圏を中心に182店舗(2010年8月時点)の書店を運営する日本最大規模の書店チェーンだ。近年では、新刊書籍の販売だけでなく、一部の書籍を対象に税抜き定価の3割で買い取り、ネット販売する新古書販売事業にも