鮮魚として魚屋さんの店頭に並ぶのはマイワシ。 背中の部分に黒い星が並んでいるため、 ナナツボシなどと呼ばれることもある種類だ。 鮮度の良いものは、ふっくらとした胴で張りがある。 店先で触れるようなら、軽く指で押してみるといい。 ウロコが取れやすい魚なので、時間のたったものは たくさん剥がれてしまう。 新しいものは、体の青みが濃く、特徴である背中の星も はっきりしている。また、目も澄んでいるものがいい。 シロザケ、ギンザケ、ベニザケからキングサーモンや ノルウェイサーモンまで、ひと口に鮭といっても、いろいろ 種類があるが、日本で鮭といえば、シロザケを指す。 銀毛と呼ばれるウロコが銀色に輝くものが美味しく、 川のぼりを始めるとウロコが茶色っぽくなる。 川で生まれ、海に出たあと、再び川をさかのぼって、 産卵するのがサケの一生である。 川のぼりでは体力を使って身もやせるから、 沖合いか河口付近で獲
白身の魚に火を入れるときは、注意深く扱わないと、身が崩れてしまう。フライパンで白身魚をキツネ色に焼き、いざ皿に盛り付けようとしたところ、身が半分に崩れてしまったという経験のある人もいるだろう。それほど、白身魚の調理は繊細で難しいものだが、なぜ白身魚の加熱調理に弱く、、崩れやすいのだろうか?一方、同じ魚でも、マグロのような赤身の魚が赤身の魚が煮崩れを起こしにくいのはなぜだろうか?それは、白身魚と赤身魚では、もともと筋肉の組成が違っているから.魚の筋繊維は、ミオゲンというタンパク質でできているが、赤身魚がタンパク質を30%含んでいるのに対し、白身魚は20%程度しか含んでいない。加熱すると、タンパク質が多いほど、身が締まってかたくなり、少ないと崩れやすくなる。加熱した白身魚の身が崩れやすい原因は、筋肉をつくるタンパク質が少ないため。ただし、同じ白身魚でも、ヒラメやカレイなどの海底に棲む魚の場合は
カツオの皮を強火でサッとあぶって食べる料理といえば、カツオのたたき。一方、同じたたきでも、アジのたたきは皮を焼かずにそのまま刺身で食べる。同じ「たたき」なのに、調理方法が異なるのはなぜだろうか?現在では、皮に熱を加えるカツオのタタキだが、もとは加熱せず、骨身を切って、塩漬けにしたものをさしていた。ところが、カツオの刺身には、独特の生臭みがあるため、その臭いを消すため、皮をあぶる、調理方法が主流になっていく。カツオの皮を焦がすと香ばしさが生まれて、生臭さが消えるからだ。しかも皮を含めてまるごと食べられるので、皮と身の間にあるうま味を残さず味わうことができる。こうして、カツオのたたきは、皮だけ焼いて食べられるようになった。また、カツオのたたきとアジのたたきでは、皮を加熱する以外でも、調理方法が異なっている。先ず、カツオのたたきは、文字通り包丁の面で身をたたくことから、この名がついたが、アジの刺
アンコウといえば、吊るし切りと呼ばれる独特の捌き方が有名である。吊るし切りというのは、アンコウの下あごに縄を通してフックをかけ文字通りアンコウの体を吊るした状態で肉をそぐことをいう。こうして、身と皮を包丁で別々にし、胃にあたる水袋や、アンキモの名で親しまれている肝臓などを取り出し、アンコウ鍋や唐揚げなどに料理する。でもなぜ、アンコウはまな板の上で捌くほかの魚と違って、吊るした状態でさばくのだろうか?それはアンコウの体が全体的に柔らかく、体表にぬめりをもつため、まな板の上では、包丁がすべって切りにくいからだ。しかも、アンコウは、最大級のものでは全長が2メートル近くもある巨大魚。それだけ体が大きいうえ、柔らかくて扱いにくいとあっては、吊るして切る方法が一般的になったのもうなずける。アンコウを吊るすと、自身の重みで下に引っ張られるため、胴体に張りが出て、切りやすくなる。そのさい、より強く張りを出
塩焼きは強火で短時間で焼く、といっても、実際のところどれぐらい時間をかければ良いのでしょうか?アジとサンマを例に挙げてみましょう。グリルの両面焼きの場合は、予熱もひっくり返す必要もないので、強火のままアジなら8~9分、サンマなら7~8分も焼けば十分です。片面焼きの場合は、予熱が十分かどうかが焼き上がりを大きく左右します。下ごしらえの時間などを利用して、約5分間、しっかり庫内を温めましょう。魚を入れたら、アジの場合で表側を7分、ひっくり返して裏側を5分で焼き上がり。サンマの場合は、表側を5分、裏側は4分が目安。どちらも予熱の5分が重要です。アジは5・7・6、サンマは5・5・4と覚えておきましょう。【注目】魚は網よりグリルがおすすめ魚を焼くときに焼き網を使うと、表面は黒焦げ、中は生になりやすいもの。グリルを使った方が失敗が少なく、上手に焼けます。理由は、温度の違い。焼き網は、網そのものは非常に
魚料理の中でも、子供から大人まで人気が高いのは、やはり塩焼き。香ばしく焼き上がった魚は、なんとも食欲をそそります。魚を塩焼きにするときに迷うのが、塩を振るタイミング。 焼く直前がいいのか、10分ぐらい前がいいのか、 1時間ぐらいおいておいた方が良いのか・・・ 塩をふっておいておくと、肉でも魚でも、身の内側から水分が出てきます。 水分を中に閉じ込めておきたい肉料理の場合は、できるだけ焼く直前に 塩をふりますが、水分を多量に含んでいる魚の場合は話は別です。 魚は塩をふっておくことで余分な水分をある程度出して、適度に身を締める 必要があります。 魚を塩焼きにする場合、塩をふるタイミングは直前でも何時間も前でもなく、 約20分前が目安。魚の大きさ、好みによって加減しましょう。 塩焼きでありがちな失敗といえば、焼きすぎです。 焼きすぎというと火が強いイメージがありますが、実際多いのは 焦げるのを心配
日本ではコメはもちろん主食。ところがヨーロッパではコメは野菜の扱いだ。その証拠に、料理の付け合わせにしたり、スープに入れたりする他に、サラダに加えたりもする。まるで野菜のような料理の仕方だ。 スペインでよく食べられる炊き込みご飯のパエーリャや、イタリアのリゾットなどは、一見、われわれ日本人と同じ感覚で食べられているように見えるが、そんなときにもヨーロッパ人は。片手にパンをもちながら食べている。つまり、コメはあくまでもおかずとして食べられているのである。 そんな野菜としてのコメの立場を象徴するような料理が、イタリアなどで食べられているコロッケだ。外見は日本のコロッケと変わらないが、中身は何とコメ。ちょうどおむすびを油で揚げたようになっている。 日本のコロッケの中身が、野菜であるジャガイモなのと同様に、ヨーロッパ人にとっての野菜であるコメが中身に使われているというわけだ。日本と欧米のコメに対す
弱肉強食の世界で「海の殺し屋」「ギャング」の名をほしいままにしている魚といえばサメ。海では我が物顔で泳いでいると思われがちだが、実は彼らもそれなりに苦労していることをご存知だろうか。サメは、3億年前に地球上に現われ、2億年前にパッタリ進化を止めてしまった魚。そのためサメの体は原始的で、肉体的な欠陥が少なくないのだ。その最大の欠陥は、サメは呼吸するために、一生泳ぎ続けなければならないことである。サメも普通の魚と同様、エラ呼吸しているのだが、その酸素の取り入れ方がちょっと異なっている。普通の魚は、エラ蓋と口をポンプがわりに動かすことで、エラに新鮮な水を送り込み、そこから酸素を取り入れている。一方、サメのエラといえば、タテに数列の穴が並んでいるだけの、ごくシンプルなつくり。エラ蓋がないので、ポンプのように動かすことができない。ではどうするかというと、口から新鮮な水を絶えず流し込むのである。サメは
魚にはヒラメやカレイのように、体を横倒しにして暮らす魚がいる一方で、なぜか体を垂直に立てて泳ぐ魚もいる。その名も、ズバリ「タチウオ」である。もっとも立っているから「立ち魚」なのではない。タチウオは漢字で「太刀魚」と書く。タチウオは、長く薄いリボンのような体をしていて、大きなものでは150センチにもなる。尾の部分は、先へ行くほど細くなり、体はメタリックな銀色。つまりピカピカ光っている。それが水中で垂直に立っているのだから、切れ味鋭い刀そくりに見えるわけだ。そのタチウオ、水深40~150の水底に群れをつくり、例のホバリング状態でじっと体を休めているのだが、夜になると、エサをとるため、水面近くまで垂直に昇ってくる。またの名を「海のギャング」とも呼ばれるタチウオは、獰猛な魚としても知られる。面構えも相当に怖いが、それ以上に恐ろしいのは、鋭い歯と強いアゴ。エサとなる小アジなどの魚を狙い、下からノドを
寿司屋さんの握りやチラシは「並」「上」「特上」など、いくつかのランクに分かれているが、高いのと安いのとでは、どちらが店の利潤は大きいのだろうか?「そりやあ、高いほうに決まっている」と、普通は思うかもしれないっが、実は逆。「並」やランチメニューの安いセットは、イカやコハダなど、仕入れの安い大衆魚を使用し、カンピョウ巻きやカッパ巻きといった安い巻物が入るので原価はかなり安くなる。しかも「並」ならば、ネタを薄く切るという裏ワザも使えるらしい。これが「上」になると、トロやイクラといった原価の高いネタが入るし、「特上」になると、相場の変動が激しいウニを入れなければならない。今はウニが高値だからといって、客に高額を請求するわけにもいかないし、その他にも、ネタを厚めに切ったり、季節の花を添えたりと気も使わなければならない。寿司屋さんとしては、安いもののほうが利潤が大きいのだ。安いネタを使っている回転寿司
黒潮を回遊するカツオが、日本近海に姿を現すのは毎年4~5月。それが江戸っ子の待ち焦がれた初ガツオである。その後、カツオは9月ごろまでに東北沖を北上し、10月になると、再び南下する。これが秋にとれる「戻りガツオ」。江戸っ子は初ガツオばかりを珍重して、戻りガツオには目もくれなかったが、肝心の味では戻りガツオに軍配が上がる。これは好みの問題もあろうが、戻りガツオの方が脂がのっていて、旨いというのが通り相場である。ところで、カツオの味はよく知られていても、海の中のカツオのことは、あまり知られていないようだ。カツオは、マグロと同じサバ科の魚で、成魚の体長は平均1・2mにもなる。流線型のスリムな体つきは、いかにも泳ぎのスペシャリストといった風情だが、実際、大型回遊魚の中でも、カツオの泳ぎはトップクラスのスピードを誇る。時速160キロを超えるというから驚きだ。とはいえ、「そんなに急いで何処へ行く?」と首
空飛ぶ魚トビウオは夏に旬を迎える魚。 引き締まった身は淡白で、新鮮なら刺身でもいけるが、 煮魚には向かない。加熱すると、身が固くなって美味しく頂けないのだ。 逆に、何といってもうまいのは干物。食通はトビウオのクサヤを好むというが、干物にすると美味しいのは、トビウオは脂肪分が1%と極端に少なく、代わりにタンパク質が豊富だから。 脂が少なければ酸化しにくく、味が落ちにくい。 その一方で、タンパク質がアミノ酸に分解されるために、 グッとうま味が増すのである。 トビウオの体に脂肪分が少ないのは、もちろん空を飛ぶためだ。 身が重ければ、空は飛べない。 そもそも、トビウオには、食料を蓄えておく胃もないし、消化管も極端に短い。 エサは動物プランクトン一本やり。魚を食べていたら体が重くなってしまう。 そうまでしてトビウオが空を飛びたい理由は何なのだろうか? 先ず一つは、外敵から身を守るため。トビウオは海面
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