ツールを含め世界三大レースといわれるジロ・デ・イタリア、ブエルタ・ア・エスパーニャ、さらにモニュメントと呼ばれる歴史的にも別格の5つのレースを別府はいずれも完走している。日本代表としては8度の世界選手権、2度のオリンピックを完走。三大レース、モニュメント、世界選手権、オリンピック、これらすべてを完走した選手は、現在1100人ほどいる現役のトッププロの中でも11人しかいない。 そんな別府のプロ生活の終了は、世界最大級の自転車ニュースサイトでもいち早く取り上げられた。別府はまさにロードレース界のレジェンドなのだ。 別府がレースを始めたのは9歳の頃。自転車レースを趣味としていた父と2人の兄に連れられて参加したのが始まりだ。高学年の子に交じって走ったデビュー戦は、当たり前のように惨敗だった。「まだ小さいから」とか「自転車が違うから」と慰めても別府少年は納得しなかった。ただ、彼が非凡だったのは負けて
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