欧米経済の先行き不透明感や急激な円高を背景に東京株式市場で薄商いが続いている。10日の東証1部の出来高は21億9000万株と、活況とされる20億株以下の連続記録をほぼ1カ月ぶりに上回ったものの、あまりの市場の閑散ぶりに、トレーダーらは頭を抱えている。 今回の出来高20億株割れは8月2日から29営業日続いた。同様の薄商いは今年に入り、6月14日〜7月13日(22営業日連続)、2月15日〜3月11日(19営業日連続)にも続いた。1日平均の売買代金でも、8月は1兆1774億円にとどまり、2004年8月以来、6年ぶりの低水準だった。 足元の株安は欧米経済の減速懸念が底流にあるが、欧州では信用不安がくすぶり、先行きの不透明感はぬぐえていない。また、今月14日の民主党代表選を控えた政策不在もあって、市場の反応は鈍い。 証券業界からは「『相場がどちらに動くのか自信が持てない』と嘆くトレーダーもいる」(大