タモリのイメージは世代によってまったく違う。1970年後半~1980年代における”アングラ時代”の彼を想像する方もいれば、'82年〜'14年まで8054回にわたって出演した『森田一義アワー 笑っていいとも!』(フジテレビ系)でサングラスをつけている司会者、と思う方もいるだろう。いくつもの顔を持つ背景には「今」と「普通」を楽しむ彼の”禅的”な考えがある。ぜひとも、タモリの魅力について語らせてほしい。 “私”を消してすべてを許す力 タモリという男は不思議だ。日本全国のほとんどが彼の存在を知っている。しかし「タモリがどんな人か」をつかめている人は少ないだろう。例えば、彼は小学3年生のころに、けがをして右目を失明している。この重大な事実はあまり知られていない。 また、タモリは肩書きの付けようがない。いわゆる”ゆとり世代”だった少年期の私にとって、タモリといえば「お昼にサングラスをかけている、あやし