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かなしいゆめと創作に関するsasuke8のブックマーク (5)

  • ワクチン人間 - 法正林思想(ナカノ実験室) - カクヨム

    「父さん、これからはワクチンで勝負する」 僕も含めて家族は、そうじゃないかと薄々は感づいていた。なぜなら、僕たちは、もう芋を生産しているからだ。だから母さんも、姉も僕も反対しなかった。 僕らが生産するのは、畑で育つ芋じゃあなくて、毎朝、腕や背中に瘤がむかごのように生えてくるあの芋だ。地球温暖化問題などの社会情勢の変化の中で、僕たち家族は芋を仕事にするようになった。 二十一世紀初頭、貧困と格差の問題は前世紀から持ち越されたままであったが、時の総理大臣馬延晋作の手によって解決した。封印されしマノベノミクス第四の矢が国会議事堂の地下より発掘されたのだ。 それは、地球温暖化問題と糧問題、格差と貧困、さらには不景気を同時に解決すべく、人間に葉緑素を移植するという奇策であった。葉緑素を移植した人間は植物人間と呼ばれた。植物人間になると、光合成により体内に栄養素が生み出され、費が減る。また、移植する

    ワクチン人間 - 法正林思想(ナカノ実験室) - カクヨム
  • 兄と吾郎とVリーガー - ミック・エイヴォリーのアンダーパンツ

    「いいか吾郎、今日は早く寝るんだぞ」 歯みがきの時間、お兄ちゃんが口を泡だらけにして言った。かなり念入りに歯みがきをしている。 「うん、何時に起きる?」 「4時。そんで4時半出発。」 まだ9時にもなっていないから、7時間はねむれる。 「うん、わかった。目覚まし時計をセットしなくちゃね」 「父さんのでっかいのを借りてあるよ。簡単にとめられないように、床に置いておくんだ」 「わ、いいね」 「吾郎がとめろよ?」 「え?」 「オレがとめたら、吾郎が起きないかもしれないからな」 「そっか、まかせて。明日さ、海まで行けるかな」 「オレの計算だと、ぎりぎりいけるな」 ぼくは知っている。 「海、見たいなぁ」 「見れるって」 ぼくは兄ちゃんが、バレーボール選手をベッドに連れ込んでいるのを知っている。 「ほら、先に口ゆすいじゃえ」 そう言ってリステリンをスタンバイする兄ちゃんは、夜な夜な、ぼくが上に寝てる二段

    兄と吾郎とVリーガー - ミック・エイヴォリーのアンダーパンツ
  • けつのあなカラーボーイ 脳とピアノとボストンバッグ

    「それで、いつ引っ越すの?」 「今度の土曜日です」 「そう」 マリちゃんのお母さんはちょっと沈んだ声を出した、すると、お父さんも小さな声でつぶやいた。 「マリのやつ……」 そして、テーブルの上に置いてあるボストンバッグの中にいるユミコに向かって言った。 「ごめんね」 あまり二人がやさしいのでユミコはもう少しで涙がこぼれそうになった。 ユミコのお父さんも昔はやさしかった。色々なところに、肩からさげて連れて行ってもらった。もちろんお母さんも妹も一緒に。キャンプにも行った。ディズニーランドにも行った。ミッキーにボストンバッグを持ってもらった写真は今でも大切に持っているし、ビッグサンダーマウンテンのロッカーにも入った。家族4人でいるのが、何より楽しかった。 でも、ある日、お父さんは脳みそだけの姿になってしまった。いつものようにユミコが道行く人に家まで運んで行ってもらうと、アパートの101の部屋の前

  • 頭蓋骨持ち歩き少女賞(仮)応募作品『ブラックサバス・レプリカント』 - やや最果てのブログ

    ブラックサバス・レプリカント 黒鷺早苗には夏はない。 そう思わせるほど季節感のない彼女は、こんな暑い日和の下でも漆黒のロングコートを羽織り、制服の下には、これまた黒い喉元まで覆うタートルネックのセーターを仕込み、今日も悠々と登校してくる。 端から見るその姿は、さながら西洋の黒魔術師のようで。 そして何より、その印象を決定付けるのは、彼女が両手で胸に庇うようにして構えている、白い髑髏(しゃれこうべ)の姿だった。 それはアクセサリーと呼ぶにはあまりに強烈に、周囲の人目を惹いた。惹いてなお、忌避させる存在感があった。何しろ、どう見ても人骨である。人骨を持ち歩く少女など、正気の沙汰ではない。 ないからこそ、僕にとっては好都合で、学校の正門を過ぎた当たりで、僕は手を挙げて彼女に話しかける。 「おはよう、サロメさん」 僕は彼女をそう呼ぶ。愛する者の首を欲しがった、聖書上の女性の名。 「……誰」 「やだ

    頭蓋骨持ち歩き少女賞(仮)応募作品『ブラックサバス・レプリカント』 - やや最果てのブログ
    sasuke8
    sasuke8 2010/05/26
    それにつけても「頭蓋骨持ち歩き少女」という言葉のキャッチーさよ。同類として、片脚マシンガン女、日本刀少女、セーラー服美少女戦士を連想した。
  • 「いっこく堂ドラマスペシャル 殺意が遅れて聞こえるから助けられない」 - ミック・エイヴォリーのアンダーパンツ

    昨日の夜どこかのテレビ局でやっていた二時間ドラマ「いっこく堂ドラマスペシャル 殺意が遅れて聞こえるから助けられない」の感想を書きたいと思います。 今更いっこく堂なんて、はっ、と斜に構えた態度で観賞を始めたぼくですが、それどころかオープニングから度肝を抜かれてしまいました。 まさしく「いっこく堂ドラマスペシャル」と赤いタイトルが映し出された直後でした。突然いっこく堂の顔がアップになり、「はいっ」と小声でつぶやいたあと、いきなり腹話術で軽快なテンポのテーマ曲を歌いだしたのです。物凄い腹話術です。「いっこく堂が歌っています」というテロップが、歌詞とは別に出されていました。 さらに、いっこく堂は次々に切り替わるシーンで走ったり柵を飛び越えたり銃を構えたりしながら腹話術で歌っていました。神業です。人形は持ってたり持ってなかったりしました。ジジイの小人みたいな人形が焼却炉に放り込まれて、焼却炉ごと爆発

    「いっこく堂ドラマスペシャル 殺意が遅れて聞こえるから助けられない」 - ミック・エイヴォリーのアンダーパンツ
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