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ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/column (28)

  • イスラエルはイランを攻撃するか?

    核開発をやめようとしないイラン。先日実施された国会議員選挙では、アハマディネジャド大統領に批判的な保守強硬派が多数を占めたと報じられています。この報じ方だと、まるで大統領がリベラル派か良識派であるかのように受け取れてしまいますから、驚きです。アハマディネジャド大統領が登場したとき、彼は保守強硬派と称されたのですから。 経済について無知な人物が大統領に就任し、自身と同じ革命防衛隊出身者を取り巻きに配した結果、政権に経済がわかる人材がおらず、国内経済は疲弊。インフレが高進。これが大統領の人気低落につながったことは明らかでしょう。 人気回復策といえば、いずこも同じ。「強い大統領」を演じること。核開発に対する他国の批判に腰砕けになっては、世論の支持が得られません。国際社会がイランの核開発を押しとどめるのは、一層むずかしくなっています。 これに最も脅威を感じるのはイスラエルです。いまにもイランを攻撃

    イスラエルはイランを攻撃するか?
    satis
    satis 2012/03/28
    戦争一歩手前で繰り広げられる中東情勢の摩訶不思議。さらに記事後段のイスラエルとロシアの裏取引が奇々怪々。
  • 「ロムニーで決まり」はつまらないが

    アメリカ大統領選挙を11月に控え、共和党の候補者選びが始まりました。各州で党員集会や予備選挙を実施して、その獲得票数に応じ、8月の党大会に出席する代議員を誰が確保するか決めるのです。 1月3日に実施されたアイオワ州の党員集会では、ミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事とリック・サントラム元上院議員がいずれも25%の票を獲得しました。票数ではロムニー氏が8票上回り、「勝利」と報じられましたが、この州では代議員の数は獲得票数に比例して配分されるため、代議員数は同数。つまり差がつかなかったのです。 1月10日に行なわれたニューハンプシャー州での予備選挙では、ロムニー氏が圧勝。ロン・ポール下院議員が2位につけ、サントラム氏は5位に終わりました。 アイオワ州でのロムニー、サントラム両氏の選挙運動を取材した私としては、サントラム氏の予想外の健闘で、選挙戦はこれから面白くなるぞと思ったのですが、ニュー

    「ロムニーで決まり」はつまらないが
    satis
    satis 2012/01/29
    「地方のテレビ局にすれば予備選段階での政治広告は大事な収入源。候補者選びが2月28日のミシガン州予備選で事実上決着してしまおうものなら広告収入が失われる」そして行われるプロレスショー。
  • もし日本でギリシャのような財政破綻が起きたら

    欧州の債務危機は、ギリシャの国民投票という予想外の展開で、きわめて深刻になってきた。誰もが連想するのは、ギリシャよりはるかに大きな政府債務を抱える日は大丈夫なのか、ということだろう。 もし将来、日の財政が破綻したら何が起こるか、という想定で、私のメールマガジンで「もし小泉進次郎がフリードマンの『資主義と自由』を読んだら」という未来小説を連載したところ、複数の版元から「出版したい」というリクエストをいただいた。これは冗談なので小説にはならないとお断りしたが、漫画化したいという話があったので、今月末に日経BP社から長編コミックとして出版する。 ギリシャはこの小説に書いたような展開になってリアリティが出てきたが、日との違いも多い。まずギリシャのGDP(国内総生産)は日の1/20程度で、大した産業がなく、社会主義政権で放漫財政が続いてきた。またユーロという共通通貨があるため、インフレはあ

    もし日本でギリシャのような財政破綻が起きたら
    satis
    satis 2011/11/09
     池田信夫による日本でデフォルトが起こる場合のシナリオ。日本の個人金融資産が国債に食いつぶされる5年後辺りからの長期金利の上昇がスタートか。インフレによる国債の償還能力の低下が引き金になる。
  • 9-11から10年:世代交替で見落とされてはいけないもの

    10年という節目に、何か科学的な根拠があるわけではない。 とはいえ大学一年生と話していると、10年前にはまだ小学校低学年で、10年前の9月11日に起きた「たいへんなこと」にはさほど衝撃を受けなかった、と聞くと、こちらが衝撃をうける。むしろ「親が動揺してた」という彼らの記憶は、まさに「9-11から10年」という今を考える上で、世代交替が鍵となることを示している。 9-11事件の直接の引き金と、その後の国際政治の中心的シンボルが「ビン・ラーディン」だとすれば、それが象徴するものは今年前半の「アラブの春」の登場によって舞台から去った。私自身、以前のコラムや拙著でも書いたが、東京新聞記者の田原牧氏が最新出版した「中東民衆革命の真実」(集英社新書)は、そのあたりを見事に表現していて、大喝采だ。 つまり、9-11によって国際政治の主役に躍り出たアルカーイダとネオコンは「大衆を信じない前衛を自負」して「

    9-11から10年:世代交替で見落とされてはいけないもの
    satis
    satis 2011/09/22
    国際政治に躍り出たアルカーイダとネオコンは前衛を自負して大きな物語を抱いていた。彼らが去り代わりに登場したのは楽天主義者の坊ちゃんたち。しかし彼らが掲げたのは別の物語ではなく倫理という普遍的な価値だ。
  • 一人っ子政策の舞台裏

    2年前、80年代生まれの一人っ子である陳さんはわざわざアメリカで息子を生んだ。帰ってきた彼女が「子供はもう一人欲しいわ」と言うのを聞いて、わたしはくらくらっとめまいに襲われた。 彼女の両親は地方の軍人だ。北京の大学を卒業して香港系の会社に勤めた彼女は数年前に大学時代の同級生と結婚。子供を授かったことが分かってすぐにアメリカで出産することを決め、わたしがその計画を聞いたのも出産予定日の数ヶ月前で、その準備は着々と、あっけらかーんと進められていた様子がうかがえる。 もちろん、アメリカでの出産の目的は子供に米国籍取得のチャンスを与えるためだ。自分自身は勤め先の香港にある社に異動したいとは思わないときっぱり答える彼女も、子供に中国以外の選択肢を残してやりたいと考えている。そして彼女の母親もアメリカでの出産に付き添ったという。 一人っ子政策は中国の国策ではないのか? 家も車ももう手にしていて中国

    一人っ子政策の舞台裏
    satis
    satis 2011/09/20
  • 民主主義のパラドックス

    民主化を進めると、過激な思想を持つ勢力が伸長する。これが民主主義のパラドックスと呼ばれるものです。 たとえば戦前のドイツ。民主的な選挙の結果、ナチス・ドイツが政権を掌握しました。 パレスチナでは、評議会議員の選挙を先延ばししていた自治政府に対して、アメリカが「民主的な選挙を実施すべきだ」と圧力をかけ、2004年12月、議員選挙が行われました。結果は、反イスラエルの立場をとるイスラム原理主義勢力ハマスが勢力を伸ばし、以後、中東和平は停滞したままです。 今回の「アラブの春」でも、この民主主義のパラドックスが再現されそうです。9月9日、エジプトの首都カイロで大規模な反イスラエルデモがあり、デモ隊の一部はイスラエル大使館を襲撃。館内に侵入して機密文書らしきものを窓からばら撒くという事件が発生しました。これを受けてイスラエル大使館員は国外に退去。エジプトとイスラエルの関係が悪化しています。 エジプト

    民主主義のパラドックス
    satis
    satis 2011/09/15
     『民主化を進めると、過激な思想を持つ勢力が伸長する。』 望ましい政治形態として、理想論で語られがちな「民主主義」。だが、民主主義には必ずしも薔薇色の未来だけが待っているとは限らない。覚えておきたい。
  • イギリスは燃えているか

    私のなかの英国は、クラッシュ(London Calling)やセックス・ピストルズ(Anarchy in the UK)などのパンクとかモッズ、あるいはジョン・オズボーン(「怒りをこめて振り返れ」)とかアラン・シリトー(「土曜の夜と日曜日の朝」)などの「怒れる若者たち」なので、8月はじめからイギリス中を席捲している暴動は、それほど意外ではない。映画でいえば、「マイ・ビューティフル・ランドレット」(ダニエル・ディ・ルイス!)なので、移民の第二、第三世代と白人貧困層が置かれた問題にも、そんなにびっくりしない。なんといっても、マルクスがその資主義社会を見て「資論」を書いたのが、英国である。 そうはいっても、今回の連日の暴動は深刻かつ要注目である。80年代の人種暴動と同種視する報道もあるが、暴動発生の引き金となったアフリカ/カリブ系市民への誤射事件を除けば、暴動を起こしている側も被害にあってい

    イギリスは燃えているか
    satis
    satis 2011/08/17
    『私の中の英国はパンクやモッズといった怒れる若者たちなので暴動はそれほど意外ではない。白人貧困層が置かれた問題にもそんなにびっくりしない。マルクスがその資本主義社会を見て資本論を書いたのが英国である』
  • 大学入試カンニング事件で露呈したマスコミのお粗末なITリテラシー | エコノMIX異論正論 | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    京都大学など4大学で行なわれた入学試験のカンニング事件は、それを実行したとみられる予備校生が逮捕されたことで決着した。終わってみれば一人の少年の単純な犯行だが、この事件をめぐって繰り広げられた過剰な報道合戦は、日のマスコミのITリテラシー(理解力)の低さをあらためて示すものだった。 最初に「ヤフー知恵袋」に京大の試験問題が投稿されたことが判明したのは2月26日で、夜になってNHKが京大当局の話を伝えると、さまざまな推測がツイッターで乱れ飛んだ。私がそれをまとめて27日朝にブログにまとめたところ、3日間で30万ページビュー近いアクセスがあった。 最初はかなり高度なハイテク犯罪かと思ったのだが、いろいろな人の話を聞くうちに、これはきわめて単純な犯行だとわかった。携帯電話が使われているからだ。パソコンはネットカフェなどを使えば身元を隠せるが、携帯電話は携帯電話会社のサーバーに識別番号(電話番号

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