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「高望みはしません。年収500万円くらいの普通の男でいいです」 かつて婚活女性のこんな言葉が切り取られて炎上したことがありました。その理由は、「年収500万円の男」が決して「普通ではない」からです。20〜30代の未婚男性の年収分布を2022年就業構造基本調査から見ると、年収500万円以上は12.5%に過ぎません。「普通」どころか上位1割に該当するわけです。 深刻な少子化の原因はほぼ婚姻数の減少で説明できるのですが、その婚姻数の減少に拍車をかけているのが、未婚の若者を取り巻く経済環境であり、特に、こうした男女の相手への希望条件と現実の乖離が結婚のマッチング不全を引き起こしています。 女性が求める男性の年収、実際の年収 具体的に、どれくらいの乖離があるのか見てみましょう。2019年内閣府「少子化社会対策に関する意識調査」において、20〜30代未婚男女がそれぞれ結婚相手に求める希望年収を調査して
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早慶国立以上の学歴じゃないとダメ アラフォーの会社員女性・さくらさん(仮名)。ほかの相談所で3年以上活動していましたが、なかなか成果が上がらないということで当結婚相談所に移ってきました。 さくらさんの年収は500万円。あまり知られていない大学を出ています。相手に求める条件は、最低でも「早慶国立以上の学歴」。理由を問うと、「それより下の人とは幼稚で会話のレベルが合わない」「教養がないとつまらない」と。 これまで早慶国立出身の男性と何人か会ったそうですが、それでも教養がなかったといいます。本当にそうだったのかはわかりません。さくらさんが教養のあるテーマを会話に出さなかったのか、あるいは、さくらさんが想定した話題が出なかったので、「つまらない」と感じてしまったのかもしれません。 さくらさんのような思考を持ってしまうのは、「婚活システムの落とし穴」ではないかと私は考えています。仮に、学生のころは「
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タワマンに住み広いリビングが憧れ 「できるだけ年収の高い男性と結婚したい」と思っている女性は、タワーマンションに住み、広いリビングで優雅に食事をする結婚生活を思い描いているのだろう。子どもは幼稚園から私立に入れ、昼間はセレブな奥様仲間と有名店でおしゃれなランチをする……。 筆者のこれまでの経験からすると、そんな日常を手に入れたいと思っている女性は、その環境で育ってきていないことが多い。だからこそ、それを手に入れたいと夢見るのだろう。 ことに容姿端麗で、公の場に出ていくと男性たちからチヤホヤされる女性は、その要望が強い傾向があるような気がする。そして、セレブ婚を叶えるために華やかさを身にまとい、“私は安い女じゃない”とセルフプロデュースする。 だが、そこがそもそも間違っている。 しょうたろう(43歳、仮名)は、年収約5000万円の経営者だ。30代で結婚と離婚を経験しており、40歳を過ぎてから
カウンセラーにこう告げ、部屋を出てスタッフの女性に連絡をしたが、省吾からは何の連絡も入っていなかった。 私の脳裏に断崖絶壁に1人たたずみ、強風に吹かれながら海を見下ろしている省吾の姿が思い浮かんだ。その脳裏映像が今度は、1人暮らしをしているマンションの1室で、天井にくくられたロープを思いつめた表情でジーッと見つめている省吾の姿に切り替わる。いらない心配だとはわかっていても、嫌なことばかりが思い浮かんできた。 「とにかく連絡して!待っているからね。何時になってもいいから電話かメールをください。」 LINEにメッセージを送り、それから何度も電話をして着信歴を残した。 部屋に戻り、カウンセラーの男性に言った。 「すいません。連絡がつきません。でも、何の連絡もしないで約束をすっぽかすような男性ではないんです。それだけに心のダメージが心配です。1時間だけ来るのを待っていただいてもいいですか?」 そう
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生活費を大きく分けると、食費、水道光熱費、歯磨きやトイレットペーパーなど生活に必要な消耗品を買う雑費だろう。 食費でいうと、外食の多い人や、友人と飲み歩くのが好きな人は、自炊を心がけている人より出費が多くなる。水道光熱費に関しては、部屋の大きさや1カ月のうちどのくらい家にいるかで変わってくる。リモートワーク中心の人と毎日出社している人とでは、リモートワークの人のほうが水道光熱費もかさむ。 雑費に関しては、結婚するとそれまで1人で使っていたものを2人で使うようになるので、当然金額は増える。 また、一人暮らしをしている人は、1カ月に生活費がどのくらいかかるのかわかっているが、家族と同居していて一度も一人暮らしの経験がない人は、概算はできても肌感覚ではわかっていない。 毎年100万円ずつ貯金し20年 あつお(42歳、仮名)は、上場企業の社員で年収は890万円、貯金が2000万円あった。大学時代か
見合いで仲人に甘える66歳男性 みつえ(56歳、仮名)は理系の大学を卒業後、大手企業の総合職として、第一線で働いてきたバリキャリだ。20代、30代と恋愛もしてきたし、40代半ばまでは恋人もいた。だが、それらが結婚に至ることはなかった。 「40代後半になると、普通に生活していたら出会いなんてまったくなくなるんですよ」 入会面談で、みつえは言っていた。恋人と別れてからは1人の気楽さも快適で、ワイン教室に通ったり、趣味の歌舞伎を見にいったりと、悠々自適に暮らしてきた。ところが、コロナになって改めて1人の寂しさを思い知らされたという。 「このままだと、行く末は孤独死かもしれない」。切実に結婚したいと思うようになり、結婚相談所の門を叩いた。 面談で私は、50代、60代の結婚再婚事情を説明した。 「50代、60代の結婚、再婚の傾向を見ると、男性は、自立してちゃんと稼ぎのある女性を求める傾向にあるんです
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