2人の赤ん坊を研究している男性がいる。 『天使と悪魔』シリーズのラングドン教授だった。彼は12畳ほどしかない会社の事務所みたいなところに脳波測定器とか子どものオモチャを置いていた。カーペットは白色と灰色が交互に敷かれていた。デスクも会社にあるような無機質さだ。子どものオモチャが目立つ。 助手は成人女性と男子学生2人を囲っていた。 教授は赤ん坊が何か選択したと思われるタイミングで自分の脳波を記録していた。頭にシール貼り付けるやつだ。 2人目の赤ん坊は私には懐かなかった。 「だっこ」 「くるま」 「だっこ」 「くるま」 2つの言葉を話し尽くすと途端にぐずりだすのだ。 教授はその赤ん坊に身長150cmほどの精巧に造られた成人女性の人形を渡した。黒髪ロングストレートで、目は琥珀色で鈍く輝いている。 赤ん坊はそれを見つけると階段付きベッドの下のカーテンをめくり、収納スペースのところに「ここぉ〜」と言