日本企業でも、さすがに人材育成に危機感を抱いているようだ。最近は中堅や若手の育成のために「コーチング」が大流行している。 だが、人事コンサルティング大手、クレイア・コンサルティングの針生俊成ディレクターは「コーチングでは人材が育たない」と喝破する。論客として知られる針生氏に、人材育成の極意について聞いた。 (聞き手は佐藤紀泰=日経ビジネス編集委員) コーチングというのは上司が若手とか中堅の社員たちの相談に細かく対応し、「君は何をやりたいのか」などと励ましているわけでしょう。しかし、最近のゆとり世代のような若手は自意識が過剰であり、「君のゴールはここだ」と明言して、引っ張ってやらないと。 日産自動車はコーチングで成功していることで有名ですね。そこでは上司が部下の強みとか弱みをしっかり指摘し、どこに向かうべきかをうまく示して、成功しているようです。最もダメなのは若手の甘い自己認識を放置すること